最近イギリスで行われた研究によると、睡眠には難しい問題を解決してくれる
可能性があるという。 寝ると、脳が情報を海馬(最近の経験を保存している
脳の一部)から新皮質(長期記憶を司る脳の一部)に伝達しやすくなるのだ。
その一方で、簡単な問題を処理する場合には、睡眠を取ってもほとんど意味が
ないそうだ。

この研究は、ランカスター大学人間発達学習研究所の認知科学の専門家、
パドレイク・モナハン教授によって行われ、彼の研究チームは、一般の
ボランティアに、『言葉』に関する課題をいくつか出した。 3つの単語が
与えられ、参加者はそれらの単語の共通点を見つけ出し、その分類に当てはまる
4つ目の単語を選び出すように求められた。

課題の半分はやさしく、もう半分はとても難しかった。 参加者は4つのグループに
分けられた。 あるグループは夜に課題をもらい、睡眠をとって、翌朝また課題に
取り組んだ。 2つ目のグループには、朝、課題が出され、その日の夜に、再び
課題に取り組んでもらった。 3つ目のグループは、朝に課題を受け取り、その朝に
回答した。 4つ目のグループは、夜に課題を受け取り、その夜に回答をした。

簡単な問題の場合、朝に問題を見て、夜に解いたグループ(覚醒グループ)の成績が
一番良かった。 しかし、難しい課題となると、夜に初めて問題を見て、朝に解いた
グループ(睡眠グループ)の正解能力がかなり改善していたことがわかった。

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『この研究には、私たちの日頃の問題解決の仕方を改善するためのヒントが
あります』と、モナハン教授は語る。 『難しい問題ならば、一晩寝かせて、
次の日にもう一度トライしましょう。 複雑な決断をした場合でも、次の日に
見直せば、最善の選択ができる可能性が高いです』

これまでの研究は、睡眠をとった後に問題解決能力がどのくらい改善したかを
検討してきたものばかり。 睡眠そのものが問題解決のプロセスで役立っている
のかはあやふやだった。 また、問題を解決しようとする時に発生する阻害要因や、
集中力の欠如を、眠りが和らげているだけなのか、はっきりしていなかった。
モナハン教授の研究は、睡眠の新しい効用を見つける第一歩といえる。

同じような研究を積み重ねていく必要はあるものの、休んでいる間も、脳は驚く
ほどアクティブで、本当に驚異的なことを成し遂げているという証拠が続々と
見つかってきているのだ。

【お勧めの一冊】


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