東日本大震災から、もうすぐ5年が経過しようとしているが、死者、行方不明者の数は、
2万人近くを数え、未だに2,563名の遺体が見つかってはいない。 毎月、月命日である
11日には、それぞれの県警や海上保安庁による集中捜索が行われており、遺族が
見守る中、不明者の手掛かりを探しているのだが、5年近くも経過すると、既に白骨化も
終わっており、『完全な姿』での発見が非常に難しく、手掛かりさえ見つけられないのが
現状となっている。
ボランティアらによる水中捜索も行われているが、状況は変わらない。 被災地以外では、
既に何もなかったことにされてしまっているのだが、これが、被災地の辛い現実。
警察庁によると、頭蓋骨がある『完全遺体』は、被災3県で計1万5,820体が収容されて
おり、そのうち、1万5,786体(99.8%)は、震災1年以内に発見された。
3年目以降に収容されたのは、福島の2体のみ。 宮城では1年以上、岩手では2年
以上に渡って実績ゼロが続く。 骨片などの『部分遺体』の発見も同様に厳しい状況と
なっており、宮城県警は、これまで計200個(172人分)を見つけているが、昨年は
骨片1個に留まった。
災害対策基本法は、不明者捜索の終了の判断を市町村に委ねている。 17人が死亡、
6人が行方不明になった2008年6月の岩手・宮城内陸地震では、地元の栗原市が
『捜索を尽くした』として、2年2カ月後に終結を決めた。
深刻な津波被害をもたらした東日本大震災では、捜索範囲が東北の太平洋岸に広がる。
捜査関係者の一人は、自治体が終了時期を判断するのは極めて難しいだろうと推測する。