ベラルーシでは、2020年8月9日の大統領選で現職であるアレクサンドル・
ルカシェンコ(67)氏の得票率80%での圧勝が発表されたが、民衆は選挙結果が
操作されたとし、その後、抗議デモがベラルーシ全土に広がった。 同国の人口は
約950万、200万弱の首都ミンスクで、日曜日ごとに数万から十数万人のデモが
数カ月間も続いた。

ミンスクでのデモの様子


【反政府デモの経緯】出典: 『ウィキペディア(Wikipedia)
2020年
大統領選挙が行われた翌8月10日、6選を決めたルカシェンコに対して抗議する
市民と治安維持部隊が衝突し、1人が死亡、多数の市民が拘束された。
反政府デモは全国的に広がり、10月26日には大規模なゼネストが行われた。

11月28日には、ルカシェンコは即時辞任を否定した上で、代替案として、改憲を
提案し、新憲法が成立したあかつきには退任して権限を移譲することを表明した。

12月17日には対立候補であったスヴャトラーナ・チハノスカヤに人権活動を讃える
サハロフ賞が授与され、国外に向けてベラルーシの民主化への支援を求めたが、
2021年2月11日、ルカシェンコが指導する国民会議が開かれ、反体制派が求める
民主化に応じない姿勢を見せた。

実は結構温和な性格のルカシェンコ氏
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2021年
3月25日、チハノフスカヤが、自由の日にルカシェンコへの退陣を求める抗議
活動を改めて行うことを呼びかけた。 当日、ミンスクの街頭を少数の集団が
行進したが、200人以上の市民が逮捕された。 ベラルーシ当局はこれらの抗議
活動を何とか抑え込み、2021年現在ベラルーシ国内においては大規模な不服従
行動は起きていない。

5月23日、ベラルーシ領空を飛行していた旅客機をミンスクの空港に着陸させ、
搭乗していた反体制派メディア「ネフタ」の共同創設者であるロマン・
プラタセヴィチが拘束された。 翌24日、ルカシェンコはデモに対する報道を
禁止する法律に署名した。

8月1日、東京オリンピックでベラルーシ代表として出場していたクリスチーナ・
ツィマノフスカヤが、ベラルーシのSNS「テレグラム」で自国のコーチ陣を
批判したとして帰国命令が出たことから、オーストリアへの亡命を希望し、
最終的に4日、人道ビザを発給したポーランドへと亡命した。

8月3日、隣国ウクライナでベラルーシからの脱出を支援してきたヴィタリー・
シショフが首吊り状態で発見された。

11月8日、EUの経済制裁に対抗する形でベラルーシの隣国であるポーランドとの
国境に中近東系の移民を送り込む問題が発生した。

12月14日、ベラルーシの裁判所は、シャルヘイ・チハノフスキーを含む
反政府指導者6人に対し10年以上の禁固刑を言い渡した。

政府支持派と反政府派が盛んにデモを行なった

【西側による情報操作】
同国史上、過去に類を見ない異例の事態となり、政権のデモ弾圧も激しさを増し、
11月には治安部隊による全国の日曜デモで拘束者が1日千人を超える日が続いた。
西側メディアは盛んにルカシェンコ大統領を「ヨーロッパ最後の独裁者」として
非難し、デモを取材するジャーナリストも標的にされ、多数拘束された。

「英雄の行進」と名付けられたデモには数万人が参加したが、実は、このデモは、
反政府派によるデモだけではなく、政府支持派のデモも頻繁に行なわれたのだが、
その様子を西側のメディアは一切報道しなかった。 政府支持派と反政府派の
行進は、すぐ隣りでのすれ違いも多々あったが、特に暴動は起きなかった。

政府支持派と反政府派の見分け方は非常に簡単で、それぞれ支持する側の国旗を
手に、政府支持派は口々に「За Беларусь!(ベラルーシ賛成)」「За Батьку!
バーチカ賛成)」と叫び、また、手にはベラルーシ国旗を持ち、行進した。

一方の反政府派は、口々に「Уходи!(出て行け)」と叫び、白赤白の旧ベラルーシ
人民共和国の国旗を手に行進した。 赤と白は、伝統的にリトアニア大公国と
ポーランド・リトアニア共和国の国家の紋章に使われた色である。

日本では、ルカシェンコ大統領は、反政府派を認めないと報道されたが、現地の
ベラルーシのロシア語放送を見る限り、ルカシェンコ大統領は、反政府派の
デモを禁止などはしておらず、むしろ、容認したため、その後、デモは鎮静化した。

※「バーチカ」は元々は「父親」と言う意味だが、ここでは「ルカシェンコ」の意味

現在のベラルーシの国旗         旧ベラルーシ人民共和国の国旗
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【ヨーロッパ最後の独裁者】
日本をはじめ、西側メディアがこぞって使用した「ヨーロッパ最後の独裁者」と言う
言葉だが、これは、アメリカ43代目大統領のジョージ・ブッシュJrが、当時用いた
表現と全く同じであり、かつ、1度しか口にしなかったものだが、日本では
ベラルーシ大統領を報じる際には、必ずと言って良いぐらいに「枕詞」として
必ず用いられているが、アメリカは、敵対する国、または、従わない国に対して、
常に介入、制裁、戦争を仕掛けているため、本当の独裁者はどちらなのかと
言いたくなる。

最近のニュースは、アメリカのバイアスが必ず入っているため、しっかりと歴史を
学び、何でも鵜呑みにせずに、自分の頭で考え、ウソと真実を見極める知識を
持つべし。

ミンスクでの大規模デモの様子
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