日本でも一時期企業による『追い込み部屋』なるものが話題となったが、
フランスでは企業側から仕事を与えられずに、病気になったとして、フランス人
男性が訴訟を起こした。 日本では、このような訴えを起こしたとしても、
裁判所からは相手にすらされないのだが、日本の常識は、世界の非常識とも
言うべき、驚くべき内容を紹介する。

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香水関連会社で8万ユーロ(約1,000万円)を超える年俸を得ていたフランス人
男性が、仕事が退屈になり『プロのゾンビ』にさせられたとして元上司を
提訴した。
 
フレデリック・デナール氏(44)は 2日、『退屈症候群』になったとして
損害賠償36万ユーロ(約4400万円)の支払いを求める訴えを労働審判所に
起こした。
 
デナール氏は香水会社アンテルパルファムに勤めていたが、7か月間の病気
休暇を取った後、2014年9月に解雇された。
 
デナール氏の弁護士によると、同氏は『燃え尽き症候群』の反対である
『退屈症候群』のため自動車の運転中にてんかんの発作が起き、交通事故を
起こした。 この事故で同氏は数日間意識不明となり、その後病気になった。
 
デナール氏は2006年12月にマネジャーとしてアンテルパルファムに入社した。
最初は仕事一筋の模範的社員だった。 だが、デナール氏の仕事量は2009年から
減り始め、2012年にアンテルパルファムが主要顧客を失い従業員を解雇し始めて
から状況はさらに悪化。 何もすることがなくなった同氏は、同社社長の使い
走りをするようになった。

【日本企業による追い込み部屋の一例】 

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仏紙ルモンドのインタビューでデナール氏は『1日の仕事は20分から40分』で
終えてしまっていたと述べた。 『もう何に対してもエネルギーを失ってしまった。
何もしないで給料をもらうのは罪であり恥だと感じた。 自分は会社で見えない
存在になったという気がした』

医師の診断書は出ているが、フランスの労働法の下でデナール氏が不当解雇されたと
主張して裁判で勝つには、デナール氏側が病気と労働条件との関連を証明しなければ
ならない。

アンテルパルファムの弁護士はデナール氏の『戦略』に疑問を投げかけている。
というのもデナール氏は以前、自分を働かせ過ぎたとして同社を労働審判所に
提訴したことがあったからだ。

労働審判所は7月27日に判決を出す予定。

尚、フランスでは、社会保障が行き届いているため、企業を辞めてからの
失業保険は、最長で3年間も失業保険(雇用復帰支援手当)が出続けることに
なっている。

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