ウクライナの首都キエフの独立広場(ユーロ・マイダン)で起きた、市民らによる
抗議デモに端を発したウクライナでの内戦は、あたかも、キエフ市民自らが
ロシア寄りのヤヌコビッチ政権を嫌って起こした『市民革命』であると日本や欧米の
メディアは、こぞって報道がなされたが、実際は、アメリカにカネで操られた
極一部の市民が起こしたニセの革命であり、その後のウクライナの状況は惨憺たる
ものとなっている。



キエフからのヤヌコビッチ元大統領の追放を受け、米国務省の高官らは即座に、
ロシアの侵攻によって、ウクライナはかつてないほど結束を固めたとの見方を
示した。 ホワイトハウス、駐ロ米大使、共和党国際研究所等も次々に同様の
見解を発表した。 米国では、政治問題を取り扱っている記者達も、皆一様に
同様の見解を示したが、極々一部の現実主義者達だけが、ウクライナ内部の
深い闇の亀裂について指摘し続け、従来からの同国の情勢に大きな変化はない
だろうと主張した。

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ウクライナの政治家達は、新たな『親欧米勢力』の下に一致団結し、これまでの
党派やイデオロギーの違いを超えて、出来る限り早い段階でヨーロッパの一員
となることを強く望んでいると報じられ、米議員らは、ロシアのウラジーミル・
プーチン大統領がウクライナ国民に決定的な敗北を喫し、ウクライナの慢性的な
政治的内紛の時代は過ぎ去ったと確信した。

日本でも、米国とほぼ同じ報道がなされたが、実際のウクライナ政治は、新興財閥
オリガルヒらによる更なる政治腐敗が進み、クリミアはおろか、東部のドンバス地域
では、ウクライナ軍の空爆が連日繰り返され、6,400を超える死者を出した。 この
地域からの避難者だけでも、130万人以上とも言われている。 ロシア国内に居住
しているウクライナ人は、350万人とも言われており、モスクワでは、急激に増えた
ウクライナ人によって、職が奪われたりもしたのだが、そのような不都合は事実は、
西側では一切報道されず、非常に米国寄りに偏った情報しか提供されなかった。



更に、ウクライナ議会では、大統領支持者と首相支持者らの殴り合いが起きた。
『連立』という名の下に集まりながら、議会内では激しいつかみ合い、罵り合いと
なった。 支持率の急落を理由に、地方選挙の延期を要求しているアルセニー・
ヤツェニュク首相と、極僅差だが、首相よりは高い支持率を維持しているペトロ・
ポロシェンコ大統領の『連立』は既に、完全に崩壊し掛けている。 ポロシェンコ
大統領と同盟関係にある、アルセン・アバコフ内相とグルジア前大統領で、
現ウクライナ・オデッサ州知事のミヘイル・サーカシビリも先ごろ、この議会内での
醜い争いに加わった。 幸いな事に、この争いの場では、殴り合いは起きず、
アバコフ内相が、サーカシビリ知事の顔面に向けて、水の入ったグラスを投げ付けた
だけで終わった。 ポロシェンコ派のこの二人の対立は、現在のウクライナの混沌
たる状況を浮き彫りにしていると言える。 

現在、ウクライナの指導者達は、内輪もめはもう止めると宣言したが、そのような
口約束には、何の効力もない。 我が身可愛さの『我田引水』が上手く行かなければ、
国民などは二の次で、約束など全く守らないであろう。

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これまで、ウクライナでは、このような大規模なデモや内戦のようなものは起きた
事がなかったが、汚職を監視するNGO『トランスペアレンシー・
インターナショナル』も、同国を『ロシアを含む欧州で汚職が最も深刻な国』とし、
世界汚職ランキングでは、>152位に位置付けている。 家具メーカー
『イケア』が、10年以上の歳月を掛けても、同国に進出出来ないのは、政府高官に
賄賂を贈らないからだという話は非常に有名。

結局、ウクライナは、国際通貨基金(IMF)や、ロシアからの融資に頼り切りになり、
肝心の汚職対策も進まなかった。 いつまでも自立しない体制が、大規模なデモや
米国の介入を招いたと言える。 更に、ウクライでは、ザカルパチア州等でも独立
運動が盛んになって来ており、政治ばかりか、国内情勢も予断を許さない状況と
なっている。

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尚、ウクライナは、2015年12月31日に期限が切れた特恵期間中に、ロシアが保有
する国債とその利子総額30億7,500万ドルを支払わなかったため、ロシア財務省から
審理手続きの通達が行われ、同国債に関して、デフォルト状態にあるが、
今のところ、IMFからの具体的な動きは見られていない。

この事から考えても、IMFは、完全に米国寄りである事が分かるのだが、独立広場
での内戦が大々的になったのは、ロシアでソチオリンピックが開催されていた
期間中であるため、『平和の祭典』に対して、自称『世界の警察』を公認して
憚らない米国がこの事に対して、一切異を唱えなかったのは、自らが先導して
ウクライナで内戦を引き起こしたからに過ぎない。

日本の某新聞社は、独立広場での市民戦争が始まった当初、『日給30ドル程度で、
キエフ市民は米国に操られている』と報じたのだが、その後一切そのような不都合な
事実は出て来なくなった。 日本のニュースは、翻訳を含めて、その殆どが、米国
経由で入って来るため、米国寄りのニュースが多々見受けられる。 そのような
安易な記事に騙されないようにするためには、米国以外の世界情勢にも日々目を
凝らして、自らの頭で考え、行動する習慣を身に付けたいところ。

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