ソルブ語は、ドイツ東部のザクセン州とブランデンブルク州にまたがるラウジッツ
地方を中心に居住するソルブ人の言語で、ポーランド語やチェコ語に近い言語で
あるため、ドイツ国内にありながら、西スラヴ語に属している。



ラウジッツは、ソルブ語では、ウジツァと呼ばれており、ゲルマン系とは異なる
スラブ系のソルブ人が住んでいるため、『ソルビア』とも言われている。
ソルブ人は、ドイツ国内に住んでいるため、発音や文法、語用のさまざまな
側面において、ドイツ語からの言語干渉が見られるが、通常、ソルブ人は、
ドイツ語も話せるバイリンガルなのに対して、ドイツ人でソルブ語を話せる人は、
非常に稀なため、この周辺のドイツ語には、影響が出ていない。

ラウジッツ地域におけるソルブ人の歴史は、紀元後500~600年頃、東方から
スラヴ系の諸族が移動して来たところまで遡ることが出来るが、西からゲルマン系
諸族の植民が始まり、次第に各地でドイツ語への同化が進んだ。 19世紀末には、
ソルブ語話者は、15万人を超えていたとされているが、20世紀になってからは、
ナチス時代の政治的な迫害や第二次世界大戦後のドイツ人この地域への大量
流入によって、急速に衰退し、現在のソルブ語話者は、多く見積もっても4万人
以下、日常的な使用者は1万人に満たないとされている。
 
Siedlungsgebiet

ソルブ語は、色々な方言から成っているが、大きく分けて、南部の上ソルブ語と
北部の下ソルブ語の2つに大別する事が出来る。 現在のブランデンブルク州の
一部である下ソルブ地域では、一部を除き、既に言語自体が消滅の危機に瀕して
いるが、ザクセン州の一部となっている上ソルブ地域では、現在でも、ソルブ語が
日常生活で使われている地域がある。

Bautzen_Ortsschild

ルターの宗教改革の発祥の地でもある現在のドイツ東部では、宗教改革後、
プロテスタントが優勢になったが、一部、カトリック教徒がまとまって残った
地域があり、その一つが、上ソルブ地域のカトリック地域となっているため、
地元の教会の強力な支援に支えられて、ソルブの言語とアイデンティティが今日まで
強く保持されている。

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