デンマーク語は、かつてヨーロッパ北部の多くの地域で使われたゲルマン語から
派生した言語である。 12世紀には、スカンジナビア半島使われる言語は、
西スカンジナビア語と東スカンジナビア語に分かれた。 前者は、ノルウェー語と
フェローズ語で、後者は、スウェーデン語とデンマーク語である。  しかし、
現代の北欧三国の言語は、非常に良く似ている。

デンマーク語は、長い歴史を通して何度も外部からの影響を受けた。 キリスト教の
伝来は新しい単語とアルファベットをもたらし、ハンザ同盟との接触は、ドイツ語
からの多くの借用語を招いた。 都市住民と地方との生活格差が広がるにつれて、
方言が発達したが、18世紀には、リグスモーレットと呼ばれる標準デンマーク口語が
使われ始めた。 19世紀末の言語改革によって、リグスプロゲットと呼ばれる
標準的な文語デンマーク語が成立した。

デンマークからは、多くの偉大な作家や学者が輩出された。 デンマーク文学の
創設者と呼ばれる18世紀のルドヴィー・ホルベアは、当時の社会を批判する喜劇を
書き、歴史に関する著作を数多く著したり、詩を書いたりして、言語としての
デンマーク語の形成に寄与した。

03b904b

最も有名なデンマーク人作家のひとりに、セーレン・キルケゴールがいる。
1813年生まれのキルケゴールは、実存主義の父と言われている。 信仰は理性に
よって支えられるものではなく、信念に基づく行為であると説いた。 キリスト教徒
でありながら、しばしば福音教会を批判し、教会員たちは振興の基本を本格的に
検討していないと主張した。

1805年生まれのハンス・クリスティアン・アンデルセンは、世界で最も広く
翻訳され愛読されている文学者のひとりである。 作品の中で最も有名なのは、
『人魚姫』、『みにくいあひるの子』、『はだかの王様』などの童話で、彼の
作品は、物語が面白いだけではなく、人間性への深い洞察力に富んでいる。

19世紀後半には、デンマークでは多くの写実的な文学作品が生まれた。 この
時代の作家には、イエンス・ペーター・ヤコブセン、ヘルマン・ハング、ヘンリク・
ポントピダンなどがある。

アイザック・ディネセンの筆名で多くの作品を書いたカーレン・ブリクセンは、
1885年デンマークの上流階級の家に生まれた。 スウェーデン貴族と結婚した
彼女は、アフリカの農場に移住し、アフリカでの彼女の経験は、『アフリカの農場』
などの小説や回想録の元となった。 ブリクセンと並んで、1900年以後の
デンマーク文学で活躍した作家のひとりに、ヨハンネス・V・イエンセンがあり、
小説『長い旅』で1945年にノーベル文学賞を受賞した。

牧師カイ・ムンクは、1930年代に戯曲を書き始めた。 彼はキルケゴールの強い
影響を受けて、人類はその根本的な罪深さゆえに滅びる運命にあると信じた。
第二次世界大戦中、ムンクは、ドイツ占領軍に激しく抵抗し、1944年に
ゲシュタポに虐殺された。

現代の一流作家としては、マリアネ・ラーセンとヴィタ・アネルセンがある。
2人の作品は、社会における女性の役割の変化をテーマとしている。 クラウス・
ルフビャーは、沢山の小説、戯曲、詩、映画台本を書いている。

【お勧めの一冊】


>>トップページに戻る



クリックをお願いします☆
にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村