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ロシアのアレクサンドル・コットが監督した作品、「草原の実験」を見に行きました。

映画の内容は、大まかに説明をすると、カザフスタンにあった世界最大級の
核実験場、セミパラチンスクでの核実験が始まった頃の話で、草原のド真ん中に
ぽつんと建っている小さな家に住んでいる少女と父親、そして、近くの村に住んで
いる青年と、後からその草原にやって来たロシア人青年との三角関係が中心に
なっているが、その草原で、ある日突然、大事故が起こるという設定。 見渡す
限りの草原と、そこで起きた核実験によって、一瞬で何もかもが奪われるという
内容だが、セリフのない無声映画のため、ある程度の予備知識がないと、話の
展開が早いため、この場面では一体何を意味しているのか、分からなくなる時が
あるため、要注意。

今後、渋谷の他にも、宮城、群馬、愛知、京都、大阪、兵庫、福岡でも順次公開予定。

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今から、4ヶ月以上も前に、この作品の監督インタビューの部分の翻訳を依頼
されたのですが、その際に、クライアントから渡されたものは、ロシア語で書かれた
監督のインタビュー記事のみ。 その時は、Youtubeに動画すらなかったため、
ロシアのサイトを探りつつ、一体何の映画だろうと思ったのですが、今日映画を
見てきて、想像通りの映画であったため、翻訳の内容が合っていた事が証明
されました。

この映画は、セリフがひとつもない無声映画であるため、劇中でのセリフの翻訳は
必要なかったため、映画館の内で販売されているパンフレットを買わない限り、
日本語は出て来ませんが、元々のロシア語での本作品の原題が、『Испытание
(実験)』であるため、参考資料として頂いた記事の中に小さく書かれていた
『草原の実験』が、この『Испытание』である事に気付くまでに時間が掛かりました。



実際に翻訳をした内容は、パンフレットに掲載されている内容の3倍ぐらい訳した
のですが、適当に編集されていたため、かなり短くなっていました。 この映画の
舞台は、カザフスタンという事になっていますが、実際に撮影が行われたのは、
ウクライナのクリミア半島です。 この事実は、パンフレットを買わない限り分かり
ません。

翻訳をしていて、毎回感じる事としては、まともな参考資料すらない状態で、かなり
高度な事を要求されるため、ネットでの検索は欠かせないのと、納品をした後に、
その後どうなったのかという通知が一切ないため、かなり疑問を感じます。

今回のこの翻訳も、特に何も連絡を受けていないため、いつから上映されるのか、
そもそも、日本で公開される事自体知らなかったため、公開直前になって、ようやく
知った始末。

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日本の翻訳者の地位が全く向上しないのは、翻訳が単なるツールでしかないと
思われている事と、機械翻訳と同じで、何でも丸投げしておけば、適当に全部翻訳
してくれると思われているところで、そもそも、依頼をしているあなたが分からない事が、
赤の他人の翻訳者に分かりますか?という点に尽きると思う。 何でも右から左に
流すだけで、中間マージンを取っている自称翻訳会社が多いため、結局はこうなる
のだが、その翻訳コーディネーターが自体が、使い捨てであるため、それに操られる
翻訳者も当然、そのような扱いのまま。。

>>映画『草原の実験』公式サイト

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