日本がかつて高度経済成長を続けていた昭和の時代、企業では、常に優秀な人材の
流出に悩まされていました。 そこで、登場したのが、いわゆる、『終身雇用』。 企業側は、
安定した雇用の場を労働者に用意し、優秀な人材の確保に努めましたが、そのような
能天気な時代は、昭和の時代と共に消え失せ、今では、その優秀であった筈の正社員
たちも、職場に全く流動性がないため、マンネリ化が進み、逆に、企業のお荷物と化して
います。 この『終身雇用』なるもの、『社会主義』と非常に似通ったものがあり、結局の
ところ、働いても働かなくても、一切何も変わらないため、仕事が出来る人に何もかも
押しつけて、働いている振りだけをする、いわゆる『窓際社員』が激増しました。

日本では、一流大学に入学する事や、有名企業に就職する事だけが目標とされ、その後の
人生プラン等は、一切提示しなくても一向に構わないため、そこで人生が終わるような
錯覚に陥るのですが、実際のところ、学生生活とは、社会に出るための通過点に過ぎず、
『学問を習得する場』である事はもちろんの事、その他、『社会性を育成する場』である筈が、
日本の場合は、その大学が、単なる『遊びの場』と化しているため、新卒で企業に就職を
した場合、即戦力として活躍出来る可能性は、ほぼゼロに近く、入社後に企業側がゼロから
教育をし直すという手法を採用しているため、大学側と企業側との『乖離』が非常に
広がっています。

これは、大学教授にまともな社会経験が全くないというところが、非常に大きいと思います。
このような事を防ぐ意味でも、大学教員は、最低でも10年間以上の社会経験を求める
ようにすべきです。 一切まともな社会経験がない大学教授に教壇でふんぞり返られても、
一切説得力がないばかりか、間違った情報でも平気で流しているため、特に参考にも
なりません。

大学と企業との『乖離』のは、バブルの時代であれば、まだ企業側にかなり余裕があった
ため、さほど問題にもならなかったのですが、今となっては、社会全体にそんな余裕すら
既になく、大企業への中途採用など夢のまた夢、逆に大企業へ入社出来るのは、洗脳
しやすい新卒者のみとなってしまいました。 企業内での労働者の年齢構成は、バブルの
時代に大量入社した50代前後と、新卒で入社をした20代が中心。 その中間層である、
30代~40代前半に掛けては、スッポリと抜け落ちた状態となっており、その足りない知識や
技術の部分は、全て派遣社員で補われ、企業側に取っては、身軽、かつ、高度な専門性を
持った人材を安く手に入れられる時代になりました。

但し、この専門性を持った筈の人材派遣社員なるものは、元々は、その専門性が売り
だったのにも関わらず、今では、単なる大量登録により、その実力もかなりピンキリです。
派遣社員の場合は、その年齢、学歴、経験、実力等々一切何も関係がなく、時給も皆
完全に同じとなるため、経験と実力が少ない人材の場合は、むしろ、時給が高く感じられ、
その逆の経験と実力がある人材の場合は、そのような時給ではやっていられないという
状態となります。 よって、今の時代は、ダブルワーク、トリプルワーク花盛りの時代と
なっています。
GUM02_CL02211
そもそも、派遣社員とは、正社員の補助的な作業をするだけの存在である筈が、今では、
無能な正社員の仕事を直接何もかも丸投げされる存在へと変化しています。 それでも、
派遣社員の場合は、3か月ごとの契約更新を繰り返す事でしか、その職場に残れる
可能性はありませんが、最近では、いわゆる、この『社員』なるものにも、『契約社員』
『有期間雇用社員』『地域限定社員』『時間限定社員』なるものが続々と登場し、雇用者側が、
それを自由に選択出来るのであれば、一向に問題はないものの、実は、働き手の方が、
この『新しい働き方』を企業側から無理やり押し付けられるだけの存在へと落ちぶれ果てて
いるため、まずは、『まともな働き方』を用意してから、『新しい働き方』を選ばせろと
企業側には言いたいところ。

日本には、『転職をしてキャリアアップ』という考え方は一切なく、むしろ、転職を繰り返すと、
『裏切り行為』を繰り返した人間としか扱われないため、転職をすれば、する程、年収が
目に見えて落ちて行きます。 最近では、この『終身雇用』なるものも既に、時代にそぐわない
ものとして、社会的に認知されているため、リストラがあちらこちらの企業で吹き荒れて
いるが、リストラをしたとして、その企業に残るのは、転職すらまともに出来ない無能な
人材の方ばかりで、転職が出来る能力のある人材は、先を争ってその企業を去って
行きます。

大企業等では、『労働組合』なるものが、余りにも力を持ち過ぎたがために、窓際社員を
一切解雇出来ないという社会問題にまで発展しており、そのような切りたくても切れない
『ゾンビ社員』を多く抱え込んでしまった大企業等では、当然新しい人材を抱え込む余裕
すらなくなり、一方の『正社員』での雇用を希望する者にとっては、その機会すら一切与え
られないというのが今の現実。

今の時代は、高給取りの正社員のまともな給料を維持するために、切りやすくて安価な
派遣社員や契約社員を大量に使い、何とか企業活動を維持している状態ですが、それすら、
最近では無理な事が露呈し始めているため、抜本的な雇用の改革を行わない限り、
富める者は、ますます裕福に、貧乏な人間は、ますます貧乏にと言う、負の悪循環から
社会が脱する事は出来ないと思います。

>>トップページに戻る



クリックをお願いします☆
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

にほんブログ村