多言語翻訳GoWest ~多言語のススメ~

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    タグ:社会保障制度

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    デンマークは、北ヨーロッパの小さな国で、北海とバルト海の間に位置している。
    この国は、昔から重要な交通の十字路であった。 その主な港である
    コペンハーゲンは、現在でも世界一の商業の中心である。 半島と数多くの
    島々から成り立っているため、国土内のどこも海に近い。 その結果、人々は
    早くから海上交通と貿易に通じていた。

    紀元前800年から1050年に至るバイキング時代を経て、この国は、バルト海
    地域の強大国となり、ノルウェーの全部とスウェーデンの広い部分を支配した。
    14世紀から18世紀に掛けて、デンマークは、ドイツの商人や諸侯から挑戦を受け、
    続いてスウェーデンと対立した。 度重なる戦争の結果、1814年までに、
    デンマークはノルウェー等の海外の領土を殆ど失った。

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    この国は、19世紀半ば以降、ずっと立憲君主制を続けている。 この政治形態では、
    憲法が人権を保障し、選挙で選ばれた立法機関が法律を定めている。 デンマーク
    国王の権力は、多分に象徴的なものである。 デンマークは、国民に対して、最初の
    無料教育を保障した国々のひとつである。 教育の無料化と社会保障制度によって、
    デンマーク人は、世界で最も高い生活水準に達することが出来た。 この種の
    数多くの制度と施策を維持するため、人々は高い税金を払っている。

    20世紀後期までは、デンマークは経済的に繁栄していた。 しかし、1970年代半ば
    以降、物価の上昇と失業率の増加に悩まされている。 その上、ヨーロッパ諸国の
    共同体であるEUへの加盟について、人々の意見が分裂している。 この国の
    経済の将来は、ヨーロッパとの国々との貿易を上手く続けられるかに掛かっている。

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    スイスでは、全成人国民に対して、無条件で月額2,500スイスフラン(約30万円)を
    支給する『ベーシックインカム』制度の導入を求める運動が続いており、2013年
    には、12万人以上の署名が集まっている。 これまでに、オランダやフィンランド
    でもこのベーシックインカムの是非を問う動きはあったが、世界で最も早く、
    2016年6月にベーシックインカムに関する国民投票を行う国は、スイスとなる事が
    明らかになった。

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    この国民投票が可決されれば、成人国民に月額2,500スイスフラン(約30万円)、
    未成年者には月額625スイスフラン(約7万5000円)の最低所得保障が支給される
    事となる。 リサーチ会社『デモスコープ』の世論調査によると、大多数の
    スイス人が、もし同制度が採択された場合でも、仕事を続ける意向である事が
    分かった。 逆に、仕事を辞めると答えた国民は、わずか2%だった。

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    スイスでは、これまでにも世界でも類を見ない手厚い保障の『ベーシックインカム
    制度を実現させようとする活動が行われており、10万人以上の署名を集めた
    『国民発議』に関しては、憲法改正を要求する事が可能となっている。

    この制度に必要な費用の大半は、税金によってまかなわれる予定となっているが、
    制度導入に伴って、既存の社会保障制度の一部の打ち切り、所得保障制度を一本化
    する予定となっている。 所得保障制度で掛かる費用の約4分の1分は、廃止と
    なる既存の社会保障制度費用から捻出する計画となっており、複雑な社会保障制度を
    シンプルな所得保障制度に一本化する事で、行政コストを削減出来る効果も期待
    されている。

    ベーシックインカムが承認された場合、スイス政府は、年間2,080億スイスフランを
    支給する事となるが、そのうち、1,500億スイスフランは、国の税収入から、550億
    スイスフランは、社会保険基金から拠出される見込みとなっている。

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    オランダ第4の都市ユトレヒトで、大いに注目すべき社会実験が始まろうと
    している。

    『ベーシックインカム』と呼ばれるこの社会的な実験は、2016年1月からの
    導入開始を目指しており、今回は、社会福祉受給者だけが対象となっているため、
    全てのワーキングプア層に対する影響を調べる事は出来ないが、調査対象となる
    300名に対して、毎月、基本所得の約900ユーロ(約12万2500円、所帯がある人には
    約1,200ユーロ=約18万円)を無条件で支給し、その他のグループは、様々な
    規則や条件の元に、この『ベーシックインカム』を支給するというもの。
     
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    生活保護等、経済的に困窮をしている人達への金銭的な支援が本当に効果的か
    どうかは、賛否が分かれるところだが、そのような制度に反対をする人達は、
    そのような社会保障制度自体が受給者の労働意欲を失わせると批判しており、
    その結果、世界中で生活保護が受けにくくなるような政策がとられてきた。
    例え、生活保護が受けられたとしても、貧困ラインを下回る金額の支給しか
    行われていなかったり、受給のための手続きが複雑化したりしているケースが
    少なくない。

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    ベーシックインカムとは、『全ての人に必要最低限の所得を給付する』という
    社会政策の構想となっており、政府は必要最低限の生活費を、給付対象者が
    仕事をしているか求職中かに関係なく、無条件に提供する。 受給資格の審査や、
    仕事に関する条件を設けたりする事もない。 この実験では、金銭的に余裕が
    ある人もベーシック・インカムを受け取る事になるが、そのお金は税金として
    回収される。



    ベーシックインカム導入のメリット

    日本でもベーシックインカムを取り入れようとする動きがあり、年金、雇用保険、
    生活保護等の社会保障制度、公共事業を縮小する事により、『小さな政府』を実現
    するために役立つと言われている。 また、最低限の生活を保障するという点から、
    企業は雇用調整を簡単に行う事が出来るようになり、雇用の流動性が向上し、
    新産業創出などの効果があるという意見もある。

    貧困対策
    ベーシックインカムの基本的な目標は、一定の所得を無条件で保障する事で、
    全ての国民が、最低限以上の生活を送れるようにする事である。 ワーキングプア
    問題への処方箋として期待する向きもある。 ワーキングプアは、自己の年収が
    200万円を下回る貧困層の立場に置かれているものの、辛うじて生活保護を要する
    ほど困窮した立場にはないとして、従来の社会保障制度では救済されない。 日本に
    ベーシックインカムを導入すれば、ワーキングプアにも社会保障を受ける機会を
    提供出来るとされる。

    少子化対策
    ベーシックインカムは、負の所得税と異なり、世帯ではなく個人を単位として給付
    される。 子供を増やす事は、世帯単位での所得増加に繋がるため、少子化対策と
    なりうるという考えがある。
     
    地方の活性化
    ベーシックインカムの給付額は、生活に必要な最低限と言われる事が多い。 全国
    一律であると仮定した場合、物価の安い地方に生活する動機付けになるという
    意見がある。

    社会保障制度の簡素化
    現在ある複数の年金制度、ハンディキャップを負った人のための保障、失業保険、
    生活保護等、種々の社会保障制度のうち、失業保険、生活保護、および基礎的な
    年金等ベーシックインカムで代替出来るものは一本化し、他を補助的に導入する
    事で簡素化されると予想される。 これにより、最近特に問題になっている
    生活保護の不正受給問題が解決できる。

    行政コストの削減
    社会保障制度を簡素化する場合において、それらの運用コストは簡素化に応じて
    削減される。 これは、ベーシックインカムの導入目的の一つでもある。 更に、
    ベーシックインカム実現への課題の一つである財源問題を(他の手段による
    ことなく)同時に解決可能との意見もある。 また、現行の生活保護や雇用調整
    助成金では働かない状態を維持するために受給の条件に合わせる人がいる、負の
    動機付けや、交渉や制度の利用の得手、不得手から、適切な可否判断が難しい
    という意見がある。

    労働意欲の向上
    現在の年金や生活保護の制度には所得制限があり、働いて収入を得ると年金や
    生活保護の減額や支給停止が行われ、収入が減少するために労働意欲の低下を
    まねいている。 更に、真面目に働くよりも、全く働かず生活保護に頼る方が
    収入が多くなる逆転現象が発生するため、現在の年金や生活保護の制度は、
    更なる労働意欲の低下をまねいている。 一方、ベーシックインカムは所得
    制限がないため、働けば働くほど収入が増える。 そのため労働意欲が向上する
    という意見がある。

    景気回復
    ベーシックインカムは、貨幣を国民に直接給付する形式の景気対策という
    考えもある。 税金を財源とした時、高所得者より低所得層の方が財を購入する
    傾向が高いという仮定において、高所得者の貯蓄から消費に回される貨幣の
    割合を増やす事になる。

    余暇の充実
    ベーシックインカムにおいて、労働は、最低限度の生活を起始点として、必要な
    分だけ賃金を得る方式であるという考えがある。 この前提では、仕事と余暇の
    割り当てを自由に行えるという点から、多様な生き方を認めるという思想とも
    取れるという意見がある。 景気刺激策という観点では、余暇を楽しむ選択を
    した人々が様々な財を購入してくれる場合に、その効果は高いという意見がある。

    生産力の上昇を見込んだ上で、資本主義経済において、常に需要を確保する必要が
    あると仮定すると、マクロ経済的には良い状態になるという意見がある。 公共
    投資は景気刺激効果をもたらし、GDP上昇に繋がる。 ベーシックインカムは、
    これらの景気刺激効果と変わらなくても、国民総幸福 のような指標では差が
    生じるという意見がある。 ワークシェアリングによって、同時に雇用の形式も
    多様化している方が、制度的な整合性が良いという意見がある。

    非正規雇用問題の緩和
    正社員という制度が、同じ労働を行う非正社員との間の賃金や社会保障における
    格差を生んでいるという考えがある。 例えば、非正社員等のワーキングプアは、
    正社員とは違って、給与が比較的安い上、国民健康保険や住民税について、
    前年の年収に基づいた査定がなされて支払う金額が乱高下する。 また、
    ワーキングプアの多くは、雇用が不安定である事から、正社員のように給与
    所得控除など各種の減免措置を受ける機会が乏しい。 そのため、比較的裕福な
    正社員に比べ、ワーキングプアの方がより高い税率で課税されかねない悲惨な
    現状がある。

    これを是正する方策として、ベーシックインカムの導入は有効である。 また、
    企業の体力という視点から、現実的には雇用の流動性、生活保障という2つの
    側面を切り離し、ワークシェアリング、ベーシックインカムという形で組み
    合わせた場合、正規雇用を増やす政策よりも、企業の負担を軽減するという
    効果が期待されるという意見がある。

    犯罪の減少
    貧困が直接的にも間接的にも犯罪の多くを生み出しているので、
    ベーシックインカムの導入によって犯罪率が減少するといった議論がある。

    ブラック企業の矯正
    所得が保証されれば、劣悪な労働環境で無理に奴隷労働する必要がなくなるため、
    違法行為やグレーゾーンを含む劣悪な労働環境で労働者を働かせているブラック
    企業の悪しき企業文化を矯正できるという意見がある。

    産業空洞化の防止
    所得が保証されれば、最低賃金の必要が無くなるので、最低賃金制度を撤廃出来、
    その結果、海外の安い労働力にも対抗出来るようになり、産業空洞化を防ぐ事が
    出来るという意見がある。

    消費税の逆進性の解消
    ベーシックインカムを導入する事により、消費税の逆進性が解消される試算がある。
    試算によると、高所得者(年収1億円、年間支出2000万円)と低所得者(年収300
    万円、年間支出200万円)とでは、高所得者から低所得者に年間90万円の所得
    移転がなされると同時に、ベーシックインカムの導入により、消費増税をしたにも
    かかわらず、低所得者の所得が増えている事が分かる。

    失敗を恐れずに経済活動出来る
    現在の社会制度の下では、起業に失敗した場合、経済的に困難な状況に陥るが、
    ベーシックインカムが導入されていれば、もともと最低限の生活は保障されて
    いるため、失敗を恐れる必要がなくなるという意見がある。
     
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    上記の通り、ベーシックインカムを取り入れるメリットは様々であり、現行の社会
    保障制度の複雑さや、官僚主義的な部分を減らして、貧困をなくすだけでなく、
    『管理される事の少ない社会で、今より柔軟に労働時間を選択出来るようにし、
    介護やボランティア活動や勉学により多くの時間を費やせるようになる』事を目標
    としている。

    ベーシックインカムの実験は、オランダ以外でも、過去に既に行われており、
    カナダのマニトバ州ドーフィンで1974年から1979年に掛けて行われた『Mincome』
    と呼ばれる実験があり、様々な金額の給付金を毎月支給して、誰もが必要最低限の
    生活が出来るようにしたが、残念ながら、この実験は、その効果が適切に評価
    される前に政権交代によって頓挫し、実際に政策として取り入れられずに
    終わったが、実験が行われたこの5年間で、貧困は確実に減ったと言う。

    フルタイムで働いても貧困から抜け出せない、いわゆる『ワーキングプア層』にも
    経済的な安定がもたらされ、例え、病気になったとしても、安定した生活が出来る。
    給付金を受給した後、働く時間が短くなるケースもあるが、それは、母親が長い
    育児休暇を取るようになったり、10代の青年が就職ではなく、進学を選んだため
    であった。

    "ベーシック・インカム"必要最低限の給付をオランダで実験「幸福度が増す」

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