北陸新幹線は2016年3月に延伸開業後初のダイヤ改正を行うが、『かがやき』の
最速所要時間は東京―富山2時間8分、東京―金沢2時間28分のまま据え置かれる。

北陸新幹線の時間短縮が難しいのは、運転速度の上限が時速260キロに規定され、
減速走行区間もあるためだが、最高時速は、東北新幹線(宇都宮―盛岡間)で
320キロ、山陽新幹線300キロ、東海道新幹線285キロなどとなっている。 東海道・
山陽、東北のいずれも、開業当初は時速210キロだったが、その後の技術革新で
スピードアップを実現してきた。

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北陸新幹線は、東海道より約50年後に開業したにも関わらず、時速260キロに
留まっている。 その理由は、北陸新幹線が1970年に作られた全国新幹線鉄道
整備法(全幹法)に基づく整備新幹線として建設され、上限速度が整備計画で規定
されたため。 東北(盛岡―新青森間)、九州、今年3月開業の北海道(新青森―
新函館北斗間)でも時速260キロで横並びになっている。

国土交通省幹線鉄道課によると、整備新幹線が時速260キロとされたのは、全幹法
制定当時の車両の加速性能やブレーキ性能、乗り心地、周辺への環境や騒音などを
考慮したため。 線路設備も時速260キロ運転を前提に建設されている。

この基準が40年以上見直されずに来たため、東海道・山陽などの新幹線がスピード
アップする中、見劣りする形となっている。

更に、北陸新幹線には、随所に速度制限区間も存在する。 JR東日本、西日本
両社によると、最高速度の時速260キロで走行出来るのは、東京―金沢間
約450キロ)の半分程度に過ぎない。

このうち、東京―大宮間、大宮―高崎間は、旧国鉄が東北・上越新幹線を建設した際、
騒音対策で沿線自治体などと交わした約束に基づき、それぞれ最高速度が時速
110キロ、240キロに抑えられている。

高崎駅近くの北陸・上越新幹線の分岐ポイントを通過する際には、同駅に停車
しない最速型『かがやき』も減速しなければならない。 軽井沢駅近くの急カーブは、
時速110キロの速度制限区間になっている。

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この他、碓氷峠トンネルや飯山トンネルなどでは1000メートル走る間に高低差が
30メートルある急勾配区間があり、下り坂で車両ブレーキ装置への負荷を軽減する
ため、時速210キロに制限されている。

北陸新幹線の最高速度を向上させる場合は、線路設備や沿線の騒音対策などで
設備投資が必要になる。 JR東西両社はいずれも、現在の運行ダイヤについて、
『最高速度やブレーキ性能の車両条件、勾配や曲線などの線路条件などを考慮して
所要時間を算出しており、現在設定している時分が最適』という見解だ。

東京―富山・金沢間は、現状の所要時間で航空機に対する競争力がある点も、JR側の
『現状維持』判断につながっているとみられる。 北陸の観光関係者からは、所要
時間の短縮を求める声が出始めている。

現在の北陸新幹線E7系・W7系車両について、JR東西両社は、時速275キロまで
出せる性能があるとしている。

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