フリーランスの翻訳者に欠かせないCATツールとは、Computer Assisted
Translation、または、Computer Aided Translationの略語のことで、別名
翻訳支援ツールとも呼ばれている。

翻訳支援ツールとは、このツールを利用することで、用語の統一や、
繰り返し何度も出て来る表現の統一、さらには、HTMLやWordでの書き出しと、
翻訳の利便性を高めて、作業の生産性や正確性、並びに、労働的・時間的な
コストの削減を目的とした翻訳技術全般を指しているが、その代表的な
ものとしては、SDL Trados、Wordfast、OmegaT等がある。

【OmegaT】

omegat04

今回は、完全フリーソフトである OmegaT の簡単な使用方法を紹介します。
まずはダウンロード先:https://sourceforge.net/projects/omegat/

OmegaTは、今翻訳している文章と、これまでの翻訳内容を自動的に
チェックし、類似したものがあればそれを参考訳文ウィンドウに表示する。
翻訳者はキーボードショートカットを使ってその内容を編集中の分節に挿入できる。
あらかじめプロジェクトフォルダーに用語集と辞書ファイルを追加しておくと、
OmegaTはその内容も参照する。

翻訳作業終了後、ファイル一式の翻訳版を生成し、プロジェクト全体の現在の
翻訳内容をTMXファイルに出力する。 このファイルは、今後の翻訳作業に
流用可能であり、また必要であれば、OmegaT や他の翻訳支援ツールを使用
している他の翻訳者とその翻訳データを交換できる。

OmegaT のマニュアル:http://omegat.org/ja/documentation#manual



【基本的な使用方法】
①PCのデスクトップ上に任意の名前のファイルを作成しておく。 ここでは、
仮に『project』という名前のフォルダにします。
※Macintoshの場合は、ハードディスク内にこのファイルを作成します

②OmegaTを起動し、左上にある『プロジェクト』から、『プロジェクトを開く』
を選択し、先ほどの『project』ファイルを選択の後、『保存』を押します。

③『プロジェクトの新規作成』タブが立ち上がり、そこの『言語設定』より
対象言語を選択します。 例:英語から日本語へ翻訳する場合は、
『原文ファイル言語』に『EN-US 英語 - アメリカ英語』を選択し、
『訳文ファイル言語』に『JA - 日本語』を選択します。

④HTML等のタグを使用しない場合は、ここで忘れずに『設定』にある
『タグを削除』に必ずチェックを入れると便利です。 

※『タグを削除』にチェックを入れるのを忘れた場合でも、後から
『プロジェクト』→『プロジェクト設定』から変更可能です。


⑤そのまま『確定』を押します。

⑥一旦、OmegaTを最小化し、先ほどの『project』ファイルを開くと、以下の
ファイルが生成されます。

【project】ファイル
① dictionary
② glossary
③ omegat
④ source
⑤ target
⑥ tm
omegat.project

⑥ ⑤ sourceファイルに元原稿を入れます。 翻訳メモリががある場合は、
⑥ tmファイルに.TMX等の翻訳メモリを入れると、右上の『参考訳文』ウィンドウに
参考訳文が表示されます。 glossary がある場合は、② glossaryファイルに
メモ帳で作成した glossary を入れると、右下の『用語集』ウィンドウに用語集が
表示されます。

⑦ OmegaT を最大化し、左上の『プロジェクト』から『最近使用した
プロジェクト』を開き、Entter キーを押して先へすすむと、上記の『参考訳文』
ウィンドウ、並びに、『用語集』ウィンドウにそれぞれ、訳文や用語が表示される
ため、それを左側のウィンドウにある翻訳部分にコピーペーストして、翻訳作業を
進めます。

⑧ 翻訳作業がある程度まで進んだら、『プロジェクト』から『訳文ファイルを
生成する』を選択すると、⑤ target 内に、訳文が生成されます。

⑨ 後は、これの繰り返しです。

これが、フリーのCATツールの中でも最も簡単で使いやすいと言われている
OmegaTの使用方法です。 その他にも、クラウド上で使用出来る Memsourse も
お勧めです。

【お勧めの一冊】


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