東京入国管理局の収容施設で、被収容者約40人が長期収容などに抗議し、処遇
改善を求めてハンガーストライキを行っていることが明らかになった。

被収容者によると、ハンストは2017年5月9日夕方から開始された。 一部の
参加者は水も飲んでいない。 開始にあたって処遇改善を求める要求書を
東京入管局長に渡すよう依頼したが、職員は受け取りを拒否したという。

22人で始まったハンストは、新たにこれに呼応し合流する動きもあって、
参加者数が大幅に増えており、全部で65人が現在ハンストに参加している模様。
開始から既に10日が経過しており、 この間、体調を崩して倒れる人も相次いで
おり、更に入管の暴力的な制圧による負傷者も出る深刻な事態となっている。

要求書では、長期収容や職員による威嚇行為に抗議すると共に、医療や食べ物、
自由時間などにおける処遇改善を求めている。 法務省によると、東京入管の
収容施設には、現在男性387人、女性189人が収容されている。

入管側は、一般論として、ハンガーストライキのような集団的示威行動は、
要望を伝える手段として必ずしも好ましくないとの見解を示した。

支援団体や弁護士らによると、東京入管は昨年から再収容、再々収容を激増させて
いるという。 難民申請者に対し、届け出をしないで引っ越すなど以前は問題と
ならなかったことを理由に再収容するケースが増えているとしている。

品川にある東京入国管理局
050101

【制圧行動による負傷者】
5月9日(火)、16時30分、被収容者22人が帰室を拒否し、連名での要求書を入管側に
手渡そうとするものの、職員が受け取りを拒否。 帰室を拒否し、座り込むハンスト
参加者たちに対し、東京入管は数十人の入国警備官を動員して制圧行動をとった。

これにより被収容者3名が負傷。このうち1人と、仮放免者の会支援者が11日に
面会し、両肩と胸部に4ケ所の擦過傷を確認。 床に倒れ込んだこの人に対し、
職員の1人は靴で踏み付けるなどの暴行を働いたとの他の被収容者の証言あり。
負傷箇所について、写真を撮影して証拠に残すよう入管に求めたが、入管側は
これを拒否したという。

5月12日(金)には、上記とは別のブロックで、16時30分より、被収容者30人が帰室
拒否のストライキを行った。 18時30分頃、正確な人数は分からないが、60~70人
ぐらいのヘルメットを付け、タテを持った職員がやって来て制圧。 制圧の過程で、
少なくとも、被収容者2名が負傷した。

1人は、手錠を後ろ手にされ、背中からすごい力で押さえつけられ意識を失った。
気が付くと、入管の別の部屋におり、心電図をとられたらしい形跡があったが、
その間の記憶はない。 5月15日に仮放免者の会の支援者が面会した時、手首や腕に
傷が残り、足を引きずって面会室に現れた。

もう1人も、強い力で押さえつけられ『死ぬかと思った』と証言した。 手首や腕に
傷があり、病院に連れて行かれ、足だけレントゲンを撮られたという。

hansuto

【体調不良者】
5月11日(木)夜になって、ハンスト参加者1名が倒れ、担架で運び出された。
5月12日(金)には、別のハンスト参加者が倒れ、救急車で搬送された。 この人は、
翌13日(土)になって入管に戻って来たが、ハンストは継続。
同じ12日の16時過ぎに、また別のハンスト参加者が通路を歩いていて転倒した。
この人は、翌日(14日)の未明(3時30分ごろ)、再び倒れ、別のブロックに移動
させられた。

ハンガーストライキや、座り込みによる帰室拒否は、非暴力的な抗議行動です。
これに対して、暴力をもって制圧しようという東京入管の姿勢は許しがたい
ものです。 しかも、体調不良で倒れる人が出て来ている中で、ハンストの
収拾を困難にし、その長期化をまねきかねないような強硬な行動をとることは
問題です。

ハンスト参加者の1人は、面会に訪れた当会の支援者に対し、被収容者は丁寧な
言葉を使っているのに、職員は『お前!おい!』など乱暴な言葉を使うと語り
ました。

また、仮放免者の会では、東京入管に対し、引き続き抗議を寄せて頂くよう
呼び掛けています。

【意見提示・抗議先】
 東京入国管理局
 Tel: 03-5796-7250(総務課)
 Fax: 03-5796-7125
 〒108-8255  東京都港区港南5-5-30

【抗議の例】
被収容者の非暴力での抗議に対し、暴力で制圧するのをやめなさい。 ハンストを
早期に収拾出来るよう、抗議の声に丁寧に耳を傾け、誠実に対話を試みること。
倒れた人が出たら、職員は医療的な評価・判断をせずに迅速に救急車を呼ぶこと。

【お勧めの一冊】


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