内閣府は2015年12月25日、『平成25年度国民経済計算確報』発表した。

それによると、所得のうちどれだけ貯金に回したかを示す『家計貯蓄率』が、
2013年はマイナス1.3となった。 家計貯蓄率がマイナスになるのは、1955年度
以降初めてとなる。 また、所得から消費を差し引いた『家計貯蓄』の額は、
マイナス3兆7,000億円だった。

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2012年の家計貯蓄は、2兆6千億円。 2013年は前年より所得が増加したものの、
消費の増加がさらに大きかったことから、家計貯蓄が減少する結果となった。
この結果から、所得だけでは足りずに貯金を取り崩して生活している人が多いという
状況が読み取れる。

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日本人はこれまで、倹約家で貯蓄好きのイメージがあったが、最新のデータに
よると、日本の家計貯蓄率は2016年、初のマイナスとなり、消費が収入を
上回った。  2013年度、会社からの給料や利子・配当などで家計が得た所得は
285兆5,000億円。 一方、個人消費額は289兆2,000億円となった。

BBCは『この状況を1975年と比較すると雲泥の差だ。 当時、日本人の貯蓄率は
23.1%のピークに達し、収入の4分の1を貯蓄に回していた。 1960年代、日本の
家計貯蓄率は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最高だったが、その後徐々に
低下し、今では最低となった。 日本は高齢化のペースが世界一速い国であり、
多くの高齢者が貯蓄を崩して生活していることから、貯蓄率の低下は免れない』と
指摘している。 

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上述のデータは、再選されたばかりの安倍政権にも打撃となった。 アベノミクスは
賃金、雇用の増加を通じて経済を振興し、デフレを克服することを主張していた。
しかし、日本の11月の実質賃金は前年同月比4.3%減となっている。 これは17カ月
連続の減少であり、2009年12月以来の減少幅となった。 

家計の消費は収入を上回ったものの、実際の支出額は減少している。 家計の
消費支出は前年同期比2.5%減で、8年連続の低下となった。 この状況は国内の
需要と物価にとってマイナスとなる。 

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日本のインフレ率は14カ月ぶりの最低となり、10年国債の利回りも過去最低の
0.3%に落ち込んだ。 借入費用の低さは多額の負債を抱える日本にとって好材料と
言えるが、景気とインフレ率の好転は難しく、最終的には利上げになるだろう
という市場の予想も反映している。 

1990年代初めに日本が債務危機に陥って以来、日本人は巨額の負債を好まなく
なった。 賃金が引き続き増えない限り、家計の支出を増やすのは難しい。
日本国内の需要が低迷すると、企業の投資意欲も低迷し、職員の賃金も引き上げ
られることはない。 つまり、日本の企業は相当の現金を抱えていることになる。
実際、2年前に安倍氏が首相に就任して以来、企業の現金保有額は約12%増加し、
総額は2兆ドルと過去最高に達している。
 
【悲報】 ますます激しさを増す大企業の内部留保
 
家計貯蓄が減少しても日本の経常黒字には影響していないように見えるのは、
日本企業の貯蓄率が高いためだ。 家計貯蓄と賃金の両方が減少する中、日本が
消費によって経済を復興させることは非常に難しく、経済振興の道のりも厳しい
ものとなる。

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