ドイツの企業では、『休暇の最低日数に関する法律』に基づき、社員に最低24日
(フルタイムで週6日就業の場合)の有給休暇を与えなくてはならないが、実際には、
大半の企業が約30日の有給休暇を与えている。 ドイツの管理職は、部下に
有給休暇を完全に消化させることを義務付けられているため、社員は上司が組合
から批判されないようにするためにも、休暇を全て取らなくてはならない。 しかも、
休暇中に病気になった場合は、そのことを直ちに上司と人事部に連絡すれば、
病気だった日数が休暇ではなく『病欠』と認定され、その分の休暇日数が戻って来る
仕組みとなっている。

有給の取得には、上司の許可が必要だが、3~4週間の連続した休暇を取ることも、
ドイツ では全く珍しいことではない。 年末になると、人事部から通知を送り、有給を
消化するよう促す会社もある。 ドイツの法律では、企業は有給を翌年に繰り越す
ことを認めなくても良いことになっているため、年次有給の消化は、ドイツ人に
とっては、かなりの一大関心事とも言える。 

ドイツでは、この最低24日間の年次有給休暇を労働者の当然の権利として全て
消化しながらも、企業や社会が日本よりも、よりスムーズに回っている。 ドイツで
仕事をする際には、如何にして短時間で最大限の成果を上げられるのかに重点が
置かれており、無駄な作業に関しては、徹底的に省くことが理想とされている。
このため、仕事上で必要なミーティングなどは、極力短時間で終わらせて、仕事
よりもプライベートを大切にするライフスタイルが定着している。

そのためには、『何のための仕事なのか?』という目的意識を社員ひとりひとりが
常に持って働いていることとなるのだが、逆に、何か仕事を依頼する際には、その
相手に仕事の必然性を納得させない限り、なかなか着手してくれないことが多い。
よって、相手に依頼する仕事の優先順位が、極力上位に来るように、常にプッシュ
し続ける必要性がある。
 
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ドイツでも、当然ながら、仕事のプロジェクトには、それぞれの目標があるのだが、
それをより敏速に達成するために、チームリーダーが自ら率先して、誰が、何を、
どうするのかを決め、チームの一人ひとりがその役割を果たしながら、全員が
目標に向かって合理的に作業をする。 また、各人の仕事や責任範囲が明確に
なっているため、それぞれの責任において、敏速に行動出来るのも、ドイツの
特徴と言えるかも知れない。

部下が上司を信頼している点も、組織が非常に上手く回っている要因の一つでは
ないかと思われるが、ドイツでは、年齢や勤務年数よりも、実力が重要視されるため、
実力のない人間がリーダーになることは、まずない。

日本企業では、チームリーダーは、年功序列で決めることが大前提となっているため、
実力が伴わないリーダーが、そのチームを率いてしまうと、プロジェクトが機能しなく
なることが実は多い。

日本では、ドイツのように作業の効率性は重視されてはおらず、人事評価の際には、
成果などではなく、むしろ、長時間労働などの根性論で評価されているケースが
圧倒的となっているため、実力が伴わない上司に限って、率先して残業ばかりを無理
強いしていることが多くなっている。 あくまでも、目標を敏速に達成するために働く
ドイツ人と日本人との決定的な違いは、この点だと言えるであろう。

また、ドイツでは、例え、信頼しているリーダーであってたとしも、自分と意見が異なる
場合には、明確に意見を表明することが重要だとされており、その際、立場や年齢は
関係なく、常に、フラットな人間関係が構築されている。 質問をすることも良いことと
されており、例え頻繁に質問をしたとしても、丁寧に答えてくれる場合が多い

この対等な人間関係は、クライアントや顧客であったとしても、同様となっており、
クライアントがメーカー側に、『こういうの出来る?』と相談するような形となっている。
日本の場合は、クライアントはお金を支払って頂ける神様であり、意見を述べたり、
逆らうのはとんでもない話しなのだが、むしろ、これが、ブラック企業を増長させる
原因の一端となっていることは否めない事実。
 
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日本は、元々、縦割り社会であるため、常日頃から、年齢や立場といった上下関係を
強く意識しながら生活をしているが、その上下関係には、能力や実力等は一切関係が
ないため、自分がトップに立つ日まで、じっと耐え抜くしかない。 その反動なのか、
能力のない人間が上に立った際には、無意味にふんぞり返ることが多くなっており、
日本社会に新たな歪みが作られる要因となっている。

ドイツでは、子供の頃から、家庭でも学校でも自分の意見を表明するように育てられ
ているが、日本では、自分の意見を持つことすら許されてはおらず、ましてや、それを
人前で公言するとなると、非国民扱いされても文句は言えないという、暗黙のルールが
存在している。

日本とドイツ、共に戦後は焼け野原から出発した筈だが、物事の表面のどうでも良い
部分しか見ていない日本人には、合理的なドイツ人をもっと見習って、休暇を楽しむ
心の余裕を持って欲しいところ。

【お勧めの一冊】


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