厚生労働省は、2017年5月より、『ブラック企業リスト』の作成を開始したが、
そこに掲載されている企業の内容は、どこも労働条件の内容が凄まじいもの
ばかりで、中には、賃金不払いは当たり前、労災で虚偽申請というものまで
あった。

今回作成されたブラック企業リスト

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これまでも各都道府県の労働局のウェブサイト上では、送検された企業名を公表
していたのだが、社名が伏せられていたり、都道府県によっては、掲載期間が
統一されていなかったりしたため、周知効果が低かった。

厚生労働省は、2016年12月末に決定した『過労死等ゼロ緊急対策』の取り組みの
1つとして、報告を一元化して公表することを決め、今回の実施に踏み切った
という。 これによって、社会全体で長時間労働削減への意識が高まったり、
企業の遵法意識促進に繋ることを期待しているという。



これまでの違反事例を見ると、『労働者に安全帯を使用させることなくゴンドラの
作業床で作業を行わせたもの』など、労働者の生命を危険にさらすものも多い。
賃金関係のものだと、以下のようなものが寄せられている。

『労働者19名に1か月間の定期賃金約362万円を支払わなかったもの』
『知的障害のある労働者3名に、東京都最低賃金を下回る賃金しか支払わなかった
もの』

労災関連では、『約300日間の休業を要する労働災害が発生したのに、休業3日
とした虚偽の労働者死傷病報告を提出したもの』という悪質なケースも見受け
られた。



現状、労働基準監督署は、どこも人手不足で、その体質自体が既にかなりの
ブラックなのだが、その人手不足が、このようなブラック企業の温床になった
ことを忘れてはならない。

例え、労働基準監督署に相談に行ったとしても、全く相手にすらされなかったり、
適当にあしらわれることは多々あるため、まずは、厚生労働省と労働基準監督署の
健全化を図らない限りは、一般企業のブラック化は改善されないのだが、これまでの
厚生労働省のスタンスとしては、『省として、ブラック企業というレッテル貼りは
避けたい』というもので、よほどのブラック企業でない限りは、野放しにされて
いた。
 
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今回、厚生労働省が大きく変わったのは、電通の自殺事件があったためであることは
容易に予想がつくのだが、誰かが『人柱』として死亡しなければ、何も変わらない
という社会構造自体が異常なのであり、これ以上の自殺者を増やさないという意味に
おいても、 厚生労働省と労働基準監督署の社会的な役割は大きい。

今回のブラック企業リストには、製造業や建設業の社名ばかりが目立っており、
この公表では労働基準法だけでなく、労働安全衛生法も含めたため、全体の3分の2
程度が安全衛生法違反となり、必然的に特定業種への偏りが見られたと考えられる。

一方で、事務系業務やIT系などの会社は非常に少なかった。 こうした会社での
違法な長時間労働は、タイムカードを早く切ったり労働時間を記録していな
かったり、事実そのものがもみ消されている可能性が大きく、サービス残業や
みなし残業が横行している企業内では、このような事実は明るみには出て来ない。

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実際に『ブラック企業リスト』に掲載されている企業は、労働基準監督署からの
是正勧告を無視しているような悪質な企業ばかりが書類送検に至るため、まだまだ
社会に埋もれて、暗躍しているブラック企業は多い。

厚生労働省の新たな第一歩としての『ブラック企業リスト』は、この先、更に
精度を上げて、労働基準監督署からの一方的な是正勧告ばかりではなく、一般企業
で働いている労働者からの生の声も吸い上げられるシステムを構築しなければ、
何の意味もなさないまま終わってしまうであろう。

ハローワークの求人は、これまでは、企業側からの求人依頼を断ってはいけない
という理由により、記載されている労働条件が全く異なる案件が多々見受けられて
いるため、ハローワーク自体も大幅な改善が必要になるであろう。 酷い企業だと、
正社員で応募して、アルバイトで契約させられたという話もある。

『ブラック企業リスト』は、今のところ、各都道府県の労働局のやる気次第な
ところがあるのだが、今後の労働問題を『先進国並み』に改善する上で、
厚生労働省主導による全国均一な対応と、今後の更なる労働条件の改善運動を
期待したい。

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