カナダの医療制度は、メディケアと呼ばれる国民皆保険制度を採用しており、
原則として患者の自己負担が一切なく、全てを税財源で公的に負担している。
全ての国民は、皆保険を取得出来るが、移民の場合は、取得まで3ヶ月間、また
留学生(ワーキングホリデイ含む)等は、公的医療保険を取得出来ない州もあり、
その場合は、医療費は有料となる。

また、歯科診療・処方薬剤(入院中は無料)、リハビリ治療などは、全額個人負担
となる。 処方箋をもらい、薬局でその薬を購入する時は自己負担となるが、
雇用主が何らかの医療制度を持っている場合がほとんどであるため、購入金額の
7割から8割は返って来る場合が多い。 個人事業主の場合は、別途公的な医療
保険に入っていれば、同じように7割程度が返って来る。

無料で医療が受けられるというのは、カナダに住む際の大きなメリットのひとつだと
思うが、すぐ隣のアメリカの場合は、基本的に自由診療であるため、保険に加入する
ことが出来ない人が医療を受ける場合は、1時間の病院滞在だけで、10万円以上の
金額を請求されることもザラ。

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国民(移民含め)全員が無料で医療が受けられるというメリットがある反面、
もちろんデメリットもある。 カナダの医療水準は、概ね高いと言われて
いるのだが、問題となるのは、待ち時間の長さ。 救急車で運ばれた後で、
待合室で8時間も待たされたという話も耳にするほど。

手術が必要な場合でも、予約は非常に困難となっており、予約が2ヶ月先という
ことも多い。 一般的に、医療機関を利用する際には、まず地域の家庭医である、
ホームドクターを受診する必要性があるが、家庭医は、実数が少なく、また、
患者数を制限することが許されているため、新規での患者を受け付けていない
場合が少なくない。 1日の診察人数を制限している場合も多く、予約が
1~2週間後ということも多々ある。

また、専門医については、家庭医の紹介なしでは受診出来ないシステムになって
いるが、医師数の少ない整形外科、皮膚科、産婦人科などでは、数ヶ月後から
1年先にしか予約が取れない状況となっている。 また、医療費抑制政策により、
CTやMRIなどの検査機器の数は、日本に比べて極端に少なく、検査の待ち時間も
何ヶ月も先という状況となっている。

待ち時間が長い分、医療費が無料なのは良いのだが、緊急を要する場合には、
多少の負担があったとしても、有料で大至急医療を受ける制度を整備すべき
なのではないだろうか。

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