フランスで新しく成立した労働法改正法案の一つに『繋がらない権利』という
ものが導入されたが、これは、オンラインでの仕事のし過ぎがもたらす悪影響を
減らすことを目的に導入され、従業員50人以上の企業において、規定の勤務
時間外にメールを送ることを禁じる。 これにより、フランスでは、週末または
休暇中に、仕事のメールをチェックすると、法律違反となる。

この法案を支持したベノ・ハモン文部大臣は、BBCでのインタビューに対して、
『さまざまな調査から、仕事に関係するストレスが、昔に比べて非常に大きく
なっていることが分かっています。 しかも、ストレスは途絶えることが
ありません。 従業員はオフィスを離れても、仕事からは離れられません。
まるで犬のように、電波の鎖につながれているのです。 メールやメッセージは
疲れ切ってしまうまで送られて来て、生活を支配しています』と述べた。
 
また、仕事による燃え尽き症候群も問題になっており、2月には、マリソル・
トゥーレーヌ厚生大臣の指揮の下、仕事による疲弊を調査するワーキング
グループがつくられた。 フランスの『レ・ゼコー』紙によると、フランスでは
労働者の10人に1人が、仕事による燃え尽き症候群に陥る危険性があるという。 

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この法律は、特にIT系に関連した職種において、従業員の私生活に悪影響を
及ぼすことを制限するよう企業に求めており、企業側は、従業員がメールの
送受信をしてはならない時間帯を具体的に定める『企業行動憲章』を導入しな
ければならない。 メールが禁止されるのは、夜と週末が中心となる。

非常に革新的な法律だが、現段階では限界がある。 法律は強制ではなく、
従うかどうかは企業側が自分で決めることが出来、法律を破った場合も、特に
罰則はない。

フランスで新しく成立した労働法改正案では、残業手当の削減などがしやすく
なるため、労働者たちが何カ月にも渡り反対して来た。 この法案は、議会で
採決されないまま成立したが、反対者たちは今もフランス各地で大規模なデモを
起こしている。

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