劇団としてのボリショイ劇場の起源は1776年に遡るが、現在の場所に移るのは
1825年である。 1853年の火災の後、1855年~1856年に今の後期古典主義様式の
建物が完成した。 設計者は、カヴァスである。 21世紀に入ってからも大規模な
改築が行われた。
初期の俳優や歌手は、各地の農奴劇団のメンバーから成っていた。 国費で身請け
して団員に採用したのである。 グリンカのオペラ『ツァーリに捧げし命』
『ルスランとリュドミラ』等を上演し、やがて、チャイコフスキーの様々な
オペラや、フランス人プチパ振付けによるバレエの上演が人気を博すようになる。
一座の最盛時は、バスのシャリャービン、テノールのソビーノフ、ソプラノの
ネジダーノワ等のスターが一斉に舞台に登場する20世紀の初頭である。
ボリショイ劇場の脇に立っているマールイ劇場は、19世紀初期には、オペラや
バレエも上演したが、世紀半ば過ぎから、出し物が芝居専門になる。 劇作家でも
あるオストロフスキーの演出によって、彼自身の史劇や現代劇を中心に上演した。
プーシキンやツルゲーネフの戯曲も、舞台に掛けられ、サドーフスキー一家、
コシツカヤ、ワシーリエフ等の人気役者を輩出した。
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