イギリスの首都であるロンドンは、イングランドの首都でもあり、イングランド
南東部にある。 ロンドン市と郊外を合わせてグレーター・ロンドン
(大ロンドン)と呼び、人口は約820万人以上となっている。 ロンドンには
2000年以上も前から人が住んでいた。 古代にはラテン語で、ロンディニウムと
呼ばれるローマ人の町だった。 5~14世紀まで続いた中世には、活発な貿易都市
として栄えた。
ロンドンの現在の中心地は、シティ・オブ・ロンドンまたはシティ)と呼ばれ、
紀元前1世紀、ローマ人が住み着いたのはここである。 今はイギリスの金融
機関が軒を並べ、また、近代的なビルの間にセントポール大聖堂やイングランド
銀行等、由緒ある建築物がある。
国会議事堂等の政治の中心やショッピング街、歓楽街もロンドンの中心部にある。
近年、開発によって、海軍造船所があったところ(かつてロンドンの大商業活動の
中心地)は、印刷工場、商店、レストラン、事務所、高級住宅街等に姿を変えた。
これkらの地域の他、大ロンドンには、活気ある地域や、歴史的に有名な地域が
あり、多様性に富んでいる。
首都ロンドンを取り囲んでいるのが『グリーンベルト』と呼ばれる緑地帯で、
ロンドンが広がり過ぎないように作られた。 市の住宅課には、グリーンベルトの
外にあるニュータウンに住宅を確保し、低所得者層をロンドン中心部を取り囲む
スラム街から移転させた。 だが、ロンドンには多くの都市と同じように、過密、
犯罪、貧困という問題に直面している。 外国人移住者達の間で暴力事件が起きて
いる自治区も多い。
【イングランドのその他の都市】
ロンドンはイングランド最大の都市だが、他にも人口の多い都市がある。 多くは
19世紀の産業革命によって、産業が拡大し、就職口が増え、労働者を引き寄せ、
人口が急増する形で発展して来た。 このうち6つの都市(バーミンガム、
マンチェスター、リーズ、リバプール)は、1974年のイングランド地方制度改革
により、周辺の都市群を含めて特別都市とされ、州と同格になった。
バーミンガム(人口100万人)は、12世紀に既に産業が興り、19世紀には、天然
資源のうち石炭と鉄鉱石の鉱床があったことで、重要な製造業の中心となり、
人口が激増した。 第二次世界大戦(1939~1945年)では、大爆撃を受けたが
再建され、更に発展した。 主な産業は、自動車、電子機器、機械である。
マンチェスター(人口約49万人)は、19世紀に繊維産業の中心地になった。
マンチェスターシップ運河によってマージー川と結ばれ、大型貨物船も運航出来る
ようになった。 また、金融業も盛んで、国際空港もあり、他の都市への鉄道の
接続も良い。 特に化学製品、衣料、コンピューター、食料、機械、電子機器が
作られている。
リーズ(人口約71万人)は、毛織産業の中心地で、イギリスの毛織産業や化学
繊維の多くは、ここで生産される。 イングランド北部の中心地、エア川沿いに
あり、エア川は運河でリバプールに繋がっている。 14世紀に毛織産業の要として
建設されたが、今日では、工業、文化、教育分野のイングランド北部における
中心地ともなっている。リーズ大学は、イギリス最大の高等教育機関のひとつ
となっている。
マンチェスターの西にあるのがリバプール(人口約44万人)で、アイリッシュ海に
面するイングランドの主要港がある。 しかし、第二次世界大戦で埠頭が大被害を
受けてからは、寂れている。 失業率は高く、港湾設備は不十分だが、それでも
リバプールは港による収入に頼るしかない。 他にも、自動車組み立て工場、
製粉所、精糖所等がある。 1960年には、ポピュラー音楽に革命をもたらした
ビートルズの本拠地として有名になった。
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