他のヨーロッパ諸国に比べて、ポルトガルは人口が少なく、1058万人となって
いる。 そのうち30%は、リスボン、ポルトなどの都市部に住んでいる。
地方は、農漁村で、それぞれ近くには中規模の市場が開かれている。



【リスボン】

大西洋岸に位置し、ポルトガルの首都、かつ最大の都市。 ポルトガルの主要港
でもある。 リスボンの人口は、約80万7,000人で、周辺を含めた首都圏には、
約200万人が住んでいる。 丘の斜面には新旧さまざまな建築様式が見られる。
市の中心部には、広い18世紀時代の広場に面して近代的なビルが立ち並ぶが、
1988年の大火で焼けたものもある。

リスボンはその長い歴史を通して、多くの征服者たちが到達したところでもあった。
ローマの軍隊や北アフリカからやって来たムーア人にリスボンを占拠されたことも
ある。 1100年代にポルトガルは、このムーア人たちからリスボンを取り戻し、
約150年後に、リスボンはポルトガルの正式な首都になった。

15~16世紀には、ポルトガルが世界の探検と植民地化を進めた時代で、冒険家
たちはリスボンの波止場から世界各地へと航海の旅に出て行った。 リスボンは、
そうして海外へ築き上げた広大な帝国の中心地となった。 1775年、リスボンは
地震で崩壊し、地震後に起こった津波と火災で更に大きな被害を受けた。 よって、
リスボンの建物には、首都が再建された18~19世紀以来のものが多い。

第二次世界大戦(1939年~1945年)以来、リスボンは港を広げ、製油所や貯蔵
施設、造船所、修理工場、その他の産業コンビナートを作っていた。 ポルトガルの
工業製品の多くは、このリスボン港から世界に出荷されて行ったのである。

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【地方の中小都市】
ドウロ川沿いのポルトは、ポルトガル北部の代表的な港町で、工業の中心地。
首都リスボンに次ぐ大きな都市で、人口32万7,000人を超えている。 広域では
約15万人が住んでいる。 1700年代以来、ポルトは、イギリスのワイン商人相手に
貿易をし、ポートワインの生産、出荷の中心地となって来た。 ドウロ川沿いに
ざっと80軒のワイン貯蔵庫が立ち並んでいる。 更にポルトには、食品加工、
石油精製、繊維加工、タイヤ、陶器類の製造など、各種工場が集まっている
ポルトガルの一大工業地となっている。

リスボンの南、半島になった沿岸には、港町、セトゥーバル(人口約7万8,000人)が
あり、セトゥーバル湾への出入口として栄えている。 この湾には、サド川が流れ
込む。 1966年には、この半島とリスボンを結ぶ橋が完成し、そのお陰で
セトゥーバルにも何種類かの重要な産業が発展した。 造船施設、魚の缶詰工場、
その他の企業が年中、忙しくしている。 毎朝、船体を明るい色に塗った
パトロール船が港に戻って来ては、採って来た魚で地元の魚市場はひとしきり
賑わう。

中西部、モンデゴ川沿いにあるコインブラ(人口約7万4,000人)は、歴史に
とんだ街で、ローマ人によって造られたが、11世紀までは、ムーア人に占領
されていた。 12~13世紀の間は、ポルトガルの首都になり、権力を持った
ローマ・カトリック司祭の所在地でもあった。 ポルトガル最古の大学、主な
図書館や美術館があるのも、このコインブラとなっており、歴史関係の建築物が
市内に散在している。 小規模ながら、産業もあり、地元の人たちの仕事に
なっている。

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