【変化の世紀】
1800年代、スウェーデンの人口は急増したが、それに見合うだけの職は
なかった。 何千人もの人々が新しい生活を求めて移民となり、スウェーデンを
旅立った。 1850年から1930年代までに、130万人がアメリカ合衆国に移住した。
その間にスウェーデンの経済は向上した。 鉄道や運河により、交通の便が良く
なった。 製材と木材パルプ工場がスウェーデンの産業の基盤だった。

1842年には、議会の決定により、小学校で無償教育が始まった。 教育を受けた
人が増えるにつれて、人々は政治運動や労働者団体、労働組合に参加するように
なった。 長い間の運動が実り、1921年、この国の全ての成人が国会議員選挙の
投票権を得た。

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【スウェーデンモデル】 
1900年代には、産業化が急速に進展した。 仕事を求めて、沢山の人達が
ストックホルム、マルメー、イェーテボリ、その他の都市に移り住んだ。
1936年、スウェーデンの政治家達は、福祉国家としての発展に着手した。
政府は失業者や病気の人達にお金を支給した。

強い労働組合と福祉制度のお陰で、スウェーデンは産業の繁栄を労働者のための
好条件に繋げた国として知られるようになった。 これは『スウェーデンモデル』と
呼ばれている。

このスウェーデンモデルは、実際に十分な成果をもたらした。 労働組合が強く、
社会民主主義勢力が政権に就いている場合、所得の不平等が低く、福祉サービスが
包括的で、雇用とインフレ、賃金と投資、および、成長と社会政策の間の
トレードオフが緩和されていることを示している。

スウェーデンの教育は、私立も含めて、小学校から大学院まで全て無料である。
学校では、教科書や教材はもちろん、給食まで無償となっており、個人が使う
ノートさえ支給される。 自治体によっては、通学定期ももらえるという。
スウェーデンでは、手厚い奨学金制度が整い、海外留学でさえ奨学金が支給される
ため、親の所得や当人の財産などには全く関係なく、誰でも無料で大学や大学院で
学ぶことができる。

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現在のスウェーデンは、多くの国々と同様、新たな課題に直面している。
経済の活性化を求める声もあるが、今もスウェーデンモデルを支持する国民は多い。
彼らは、極端な不平等をなくすというスウェーデンモデルの基本的意図は当たり前の
事と信じており、彼らにとっては、その信念がスウェーデン国民としての大切な
部分を成している。 それが、スウェーデンを世界でも高水準の高福祉国家たら
しめた理由なのかも知れない。

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