英語の歴史は1500年以上にも及ぶ。 5世紀にアングロ・サクソン人たちによって
イングランドにもたらされた英語は、イングランド全域に定着するだけでも1000年
以上の歳月を要している。 イギリス諸島を離れて本格的に海外進出を始めたのは
17世紀初頭になってからのこと。
イングランドにもたらされた英語は、イングランド全域に定着するだけでも1000年
以上の歳月を要している。 イギリス諸島を離れて本格的に海外進出を始めたのは
17世紀初頭になってからのこと。
英国史上に残る様々な出来事は、英語の伝播においてもターニングポイントと
なった。 1066年のノルマン征服を境にアングロ・サクソン人による支配が
終わりを告げ、フランス出身の王たちがイングランドを支配するようになる。
フランス語およびラテン語が公的な言語となり、標準語として徐々に発達しつつ
あった英語は、一転して庶民の使う日常語という地位に甘んじることになった。
しかし英仏百年戦争(1337~1453)によって、フランス語への敵意と、英語が自国語
であるという意識が芽生えてくる。そして16世紀頃になると宗教改革が起こり、
格調高いが専門家しか理解できないラテン語の書物よりも、多少拙くとも誰にでも
わかる土着語による書物が重んじられ始めた。 さらに印刷技術の普及も相まって
英語の「社会進出」は加速して行く。
そんな個々のプロセスから、さらに一歩視点を下げて大きな流れを見て行くと、
他の言語から取り入れられた「借用語」が英語発展の鍵になっていることがわかる。
英語で洗練された文章を書こうとすると、語彙不足のために満足な表現ができない
ことが度々あったため、表現力不足を解消する1つの方法として作家や翻訳家たちが
行っていたのが、外国語から語彙を借用することだった。
他の言語から取り入れられた「借用語」が英語発展の鍵になっていることがわかる。
英語で洗練された文章を書こうとすると、語彙不足のために満足な表現ができない
ことが度々あったため、表現力不足を解消する1つの方法として作家や翻訳家たちが
行っていたのが、外国語から語彙を借用することだった。
フランスからの借用語は政治や宗教、軍事、ファッション、食文化、学問などに
関するものが多く、ギリシア語は専門的で高度な語が多い。 ラテン語は借用の
時期によって傾向が全く異なる。 至るところで、おなじみの単語の意外な
ルーツに出くわす。 語彙の乏しさによる劣等感をバネに、英語が他の言語を
巻き込みながらうねるように広まっていた様子が分かる。
関するものが多く、ギリシア語は専門的で高度な語が多い。 ラテン語は借用の
時期によって傾向が全く異なる。 至るところで、おなじみの単語の意外な
ルーツに出くわす。 語彙の乏しさによる劣等感をバネに、英語が他の言語を
巻き込みながらうねるように広まっていた様子が分かる。
国際標準語として不動の地位を確立した英語。 メインの言語として話す
「母語話者」がいない会話でも使われるほど、その影響力は大きい。だが元を
辿れば、英語にも北ヨーロッパの片田舎で使われる言語に過ぎなかった時代がある。
「母語話者」がいない会話でも使われるほど、その影響力は大きい。だが元を
辿れば、英語にも北ヨーロッパの片田舎で使われる言語に過ぎなかった時代がある。
オランダやドイツの一部地域で使われる、フリジア語という言語があるそうだ。
現在の話者は約50万人で、そのほとんどがオランダ語あるいはドイツ語との
二言語併用者である。 実は、フリジア語と英語それぞれの元になった言語は、
隣り合う地域で使われる方言同士だった。 英語史を勉強すると、英語と最も
系統の近い言語としてフリジア語の名が出されるという。
現在の話者は約50万人で、そのほとんどがオランダ語あるいはドイツ語との
二言語併用者である。 実は、フリジア語と英語それぞれの元になった言語は、
隣り合う地域で使われる方言同士だった。 英語史を勉強すると、英語と最も
系統の近い言語としてフリジア語の名が出されるという。