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世界中で数ある国々の中でも、オランダは、『世界で最も幸福な国ランキング』の
上位に常に位置している。 その理由は、パートタイム(ワークシェアリング)の
文化が根付いているためであるとも言われている。

EU加盟国の労働人口のうち、パートタイムで働いている割合は、平均で20%
(男性8.7%、女性32.2%)だが、オランダでは、人口の50%を超える人たちが
パートタイムで働いている。 また、男性の26.8%、女性の76.6%の人たちが、
1週間の労働時間が36時間よりも少ない。

オランダでは、1980年代前半の『オランダ病』と呼ばれた大不況を克服するため、
1982年に政労使間で合意が行われて以来、1996年の労働法改正や2000年の
労働時間調整法制定により、ワークシェアリングが劇的に進んだ。 この一連の
労働市場改革は『オランダモデル』と呼ばれている。



1982年当時、オランダでは、失業率が12%超という状況の中でワークシェアリングを
導入し、その後、失業率は2000年で3%、2001年で2.1%まで劇的に下がった。
 
この時に、労使間で賃金削減と雇用確保のための労働時間短縮が合意されると共に、
政府は、労働者の減収を補う事を目的とした減税と社会保障負担の削減、および、
財政支出を通じた政府財政健全化と、雇用の増加を図るための企業投資の活性化を
約束した。

また、1996年の労働法改正では、『同一労働同一労働条件』が取り決められた。
これは、フルタイム労働者とパートタイム労働者との間で、時給、社会保険制度加入、
雇用期間、昇進等の労働条件に格差を付ける事を禁じるものである。 更に、2000年の
労働時間調整法の制定では、労働者が自発的にフルタイムからパートタイムへ、
あるいは、パートタイムからフルタイムへ移行する権利、および、労働者が週当たりの
労働時間を自発的に決められる権利が定められている。

オランダのワークシェアリングは、二段階に分けられており、緊急避難段階では、既存
労働者の労働時間短縮による雇用維持に合意したが、その際、労働者は給与減、
政府は減税・社会保険料の軽減、雇用主は労働時間に連動しない人件費(企業福利、
能力開発など)の負担継続という形で痛み分けした。

ドイツ、フランスでは、この段階で終わるか、政府主導となったのに対し、オランダでは、
雇用形態を多様化し、パート労働者を増やす形で雇用拡大に繋げた。 オランダの
ワークシェアリングでもう一つ注目すべき点は、少子高齢化が進むなか、女性や
高齢者の働き方に大きな影響を与えた事である。 87年から働く女性が急増、その
7割がパートタイム労働者となっている。 男性の55~64歳の年齢層も93年以降で
増加し、積極的な労働市場参加が見て取れる。
 
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労働時間が短縮されて生活が柔軟になれば、大人も子供も幸福度が増す。 オランダで
子育てをする親たちは、家族の時間をとても大切にしており、子供たちは大抵、午後6時に
両親と一緒に夕食を取る。 オランダでは、多くの父親が、子供の世話をするために仕事を
休む事が可能な日『papadag(パパの日)』を活用してる。 以前は、学校への送り迎えを
する父親は少なかったが、今ではオランダの学校で送り迎えをする親の半数近くが父親と
なっている。

男女共にパートタイムの割合が多く、特に女性は経済協力開発機構の中でも主導的な
役割を果たす程、ワークシェアリングが特に進んでいるオランダでは、親が仕事と生活を
容易に両立出来るため、精神的な負担が少ないのである。

また、オランダでは、運動をする割合がヨーロッパ28カ国中で第1位であり、人口の過半数
(53%)が少なくとも週に4日は適度な運動をしていると答えた。 オランダ人は、健康的な
生活を送り、家族と一緒に過ごす事で、理想的な生活を営んでいる。 



日本でも雇用形態を多様化すべきとの声があるが、その際、パートタイマーの位置付けが
問題となる。 オランダでは、女性のパートタイマーとフルタイマーの賃金格差が7%程度
なのに対し、日本では、賞与を含めると、約44%の賃金格差となっている。 男性100対
女性60という男女賃金格差も含めると、男性正社員の3分の1程度しか女性パートタイマー
には支払われていないため、この格差を是正せずに雇用の多様化を進めると、低賃金
労働者が増加する可能性が高い。

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