シュタイナー教育とは?
シュタイナー教育(ドイツ語 Waldorfpädagogik、英語Waldorf education)とは、
20世紀初めのオーストリアの哲学者・神秘思想家ルドルフ・シュタイナーが
提唱した「教育芸術」としての教育思想、及び、実践である「ヴァルドルフ教育」を
日本で紹介する際に名付けられた呼称のひとつである。

シュタイナー教育では、教育の多様性を重視し、独自のカリキュラムを習得した
教師により教育が行われるが、教員の法的な立場は、修了した組織により、それぞれ
異なっている。 カリキュラムや授業内容も通常の学校とは大きく異なっており、
独特の芸術教育などが有名だが、日本では、シュタイナー学校としてよりも、
学校外の学びの場としての「フリースクール」と言った方が知られている。

シュタイナー教育の主な特徴は、その芸術性にある。 どのような教育も、
芸術を通して学ぶと身に付きやすい。 心で感じ、体で覚えたことは忘れない
という考え方である。 教科書やテストが一切ないのも特徴となっている。


シュタイナー教育の特徴
シュタイナー教育では、こどもの成長期を3つの段階に分けて考えており、
各年齢層の子供の成長に合った教育を取り入れている。

成長の段階
0才~7才(体の発達期)
8才~14才(心の発達期)
15才~21才(頭の発達期)

体の発達期には、その発達の妨げになるものを排除するため、テレビなどの
刺激の強いものは見せず、体を動かすことに重点を置く。 心の発達期には、
想像力を伸ばして豊かな心を育む。 頭の発達期には、これまでに得た知識を
自分のものにする思考力が出てて来るため、この時期にパソコンを使った授業も
取り入れる始める。

小中高一貫のシュタイナー学校では、1年生から12年生まで在籍しているが、
1年生から8年生(一般的な学校では中学2年)までの間、同じ担任が子供たちの
成長を見続るというのも特徴となっている。

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シュタイナー教育の3つの柱

① オイリトミー

オイリトミーは「美しいリズム」という意味で、ギリシャの神殿舞踏が由来と
なっているが、それを現代風にアレンジして、音楽や言葉を身体を使って表現する。
「言葉のオイリトミー」では、子音や母音の響きを手の動きを使って表現し、
「音楽のオイリトミー」では、流れるメロディや音符を表現する。 舞台となる
空間では、さまざまな幾何学のフォルムを描きながら動いて行く。 低学年では
メルヘンの内容を、高等部では高度な技術を必要とする音楽作品や文学作品に
取り組み、12年生では大きな卒業オイリトミー公演を行う。 オイリトミーは
シュタイナー学校において、幼稚園から高等部まで一貫して行われる、非常に
大切な中心教科となっている。

オイリトミー


② エポック授業
シュタイナー学校では、毎朝2時間近く、自分の興味のある科目を選んで勉強し、
それを2~4週間に渡り学習し、集中的に学びます。 これは「エポック授業」と
呼ばれ、小中高一貫して、この勉強方法を取り入れている。 一番集中力の高まる
午前中を利用してこのような活動をすることで、生徒たちは授業内容に深く没頭して
行くことが出来るようになる。

シュタイナー学校には教科書がないため、児童は帰宅後、エポック授業で学んだ
ことを自分でノートにまとめ、翌日先生と生徒でそれに基づき話し合い、最終的に
自分だけのエポックノートを完成させる。 そのエポックノートが、自分だけの
教科書になるのである。

フォルメン
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③ フォルメン
フォルメンとは、シュタイナー学校では必須の授業となっており、直線や曲線、円や
鋭角など、様々な形を色とりどりに描くことで、バランス感覚やリズム感覚を身に
付けさせるもの。 フォルメンでの学びを活かして、色鮮やかで芸術的な自分だけの
ノートを作り、それが自分だけの教科書(エポックノート)になって行く。 芸術に
絡めて感動を伴った学習を行うことで、体験として身に付き、知識が定着すると
いうのがこの教育の特徴となっている。

シュタイナー学校
シュタイナー学校は、1919年にドイツ南部のシュトゥットガルトで初めて学校が
開設されたが、第二次世界大戦後にその数が増大し、現時点では、全世界で
約780校の姉妹校がある。 シュタイナー学校は、発祥の地であるドイツが最も数が
多く、次いでアメリカが多い。 シュタイナー教育は、私学やフリースクールの
新たな可能性を切り開いたという点では、自由教育の象徴的存在とも捉えられて
おり、教育の多様化に大きな貢献を果たした。

日本でのはじまりと発展
日本ではアジア圏の中でも、最も早くシュタイナー教育の普及が始まったが、
1970~80年代、学校の荒廃が進む中、教育改革を求める声が上がり、シュタイナー
教育への関心が高まった。 その後、勉強会や講座が日本全国で開催されるように
なり、1987年に日本初のシュタイナー学校である「東京シュタイナー・シューレ」
が東京都新宿区の店舗住宅の一室で始まった。 この時期は、校内暴力が表面的
には沈静化して行く一方で、不登校児童の数が増加し始めた時期でもあり、1985年
には不登校児童向けのフリースクールの先駆けとなった「東京シューレ」が東京都
北区で始まった。

当時、学校外における「学び場」としての事例はまだまだ少なく、就学義務違反の
汚名を背負いながらの活動が続いた。 しかし、1990年代後半になると、不登校
児童数は13万人を超え、教育行政もこの問題に対応せざるを得なくなって行った。

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日本のシュタイナー学校
日本を含むアジア地域には、「ヴァルドルフ」の名を冠した公式な組織は
存在しない。 ヴァルドルフ教育連盟の「ヴァルドルフ学校リスト」に現在
掲載されている学校は、以下の7校となる。

学校法人シュタイナー学園 初等部・中等部・高等部(神奈川県相模原市)
学校法人北海道シュタイナー学園(いずみの学校)(北海道虻田郡豊浦町)
NPO法人横浜シュタイナー学園(神奈川県横浜市)
福岡シュタイナー学園(福岡市)

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