任期満了に伴う村長選が4月7日に告示される福島県川内村は、東京電力
福島第1原発事故の避難区域の全解除を目前に控える。 ただ人口は原発事故前と
比べ4割減少。 原発からの距離で異なる精神的賠償(慰謝料)により、村民間の
「心の分断」も残ったままだ。

「20キロ圏外の人が集まれば賠償格差の話が出る。 のどかな村でいがみ合う
ことなどなかったのに…」

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地域内に原発20キロ圏と圏外の境界がある第5行政区。 区長の高野恒大さん
(66)は表情を曇らせる。 村は原発事故で一時、全住民が避難。
「旧緊急時避難準備区域」(原発20~30キロ圏)は2011年9月に指定が
解かれ、1人月10万円の慰謝料は2012年8月で打ち切られた。 一方、2014年
10月に解除された20キロ圏内の「避難指示解除準備区域」は昨年の政府方針で、
2018年3月まで慰謝料が支払われる。

20キロ圏外の住民が賠償格差に不満を抱く理由の一つに、一家の家計を支えた
若い世代が避難を続け、村に戻った高齢者の生活が苦しくなっていることがある。
村は賠償格差策として、20キロ圏外の住民に1人1回限りで10万円分の地域振興券を
配っているが不満解消には至っていない。 高野さんは「村全体が同じハンディを
背負っている」と訴える。

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事故前に3,038だった村の人口は、今年3月現在で1,769。 これ以上の減少を
食い止めようと、村は就労の場確保に向けて企業誘致を積極的に進める。
精密機器メーカーや家具製造・販売会社など3社が進出したほか、第三セクターに
よる野菜工場も稼働。 2017年度完成を目指す工業団地には、県内外の4社が
進出予定だ。

移住者を増やす施策にも本腰を入れ始めた。 ひとり親家庭を主な対象に転居費用
30万円を助成し、民間アパートの家賃も補助。 保育料の完全無料化も実現し
「女性と子どもに優しい村」をアピールする。

村幹部は「村の人口を震災前に戻すのは難しいが、小さい中で新たに村づくり
をする」と強調している。

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