2015年12月18日、日本生産性本部が『日本の生産性の動向』2015年版を発表した。
先進34ヵ国で構成されるOECD(経済協力開発機構)加盟国の2012年の労働生産性を
見ると、日本の労働生産性は7万1619ドルで、OECD加盟国34ヵ国中第21位。 GDPで
米国、中国に次ぐ日本がこの順位というのは、通常であれば、考えられない。

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また、就業1時間当たりで見た日本の労働生産性は40.1ドル(4250円)と、OECD加盟
34ヵ国中で第20位となっており、更に、主要先進7ヵ国では1994年から19年連続で
最下位となっている。

■労働生産性 = GDP ÷ 就業者数


労働生産性の一般的な定義は、『付加価値額を労働投入量(労働者数、または、
労働時間数)で割った額』となり、例えば、財務省の法人企業統計では、付加価値額は
人件費、支払利息等、賃借料、租税公課、営業純益の合計とされている。

労働生産性が低い原因を働き方に求めるのは、一人一人が働き方を変えればGDPが
上昇すると言っているに等しい。 よって、日本の労働生産性が低いという問題は、
労働者の勤勉さや仕事のやり方、利益の配分等ではなく、日本経済や産業構造全体の
非効率性の問題だと考えるべき。

日本の生産性の低さは、労働市場の流動性のなさから来ており、身内に甘く、他人には
とことん手厳しい『協調性』から来ているとも言える。 日本では、結果は特に重要視
されず、むしろ、その過程だけが重要視されるため、無意味に企業に残って残業を
する事が美徳とされており、自分の仕事が終わったとしても、基本的に帰ることは
許されない。

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この『同調圧力』は、既に、社会の歪みとなっており、長年同じメンバーばかりで作業を
しているため、仕事をしようがしまいが、給料は特に変わらず、無能な社員の温床と
なっている。 実際は、仕事をせずに、右から左へと仕事の丸投げを繰り返している
だけなのだが、その仕組では、誰も責任を取らないばかりか、中抜きの温床ともなって
おり、実際に作業をしている末端労働者にばかり全てのしわ寄せが行く仕組みと
なっている。

労働生産性が低い社員に対しては、解雇を言い渡されても文句を言えない筈が、労働
組合が強過ぎるため、おいそれとは解雇出来ないのも問題。

仕事をしないバブル入社以前の労働者ばかりが高給取りとなり、末端の労働者に
ばかり全ての負担が行くような仕組みは、いい加減、改善しなければならない大きな
社会問題とも言えるが、自分で自分を律せるような立場の強い人間が全くいないため、
結局は、何も変わらない。

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