経済協力開発機構(OECD)が2012年に実施した『国際成人力調査(PIAAC 2012)』
では、各国の成人に『現在、何らかの学位や卒業資格の取得のために学習しているか』
と尋ねたところ、30歳以上の成人のうち『イエス』と答えた者の割合を国別に出し、
ランキングにした。  アメリカ、ドイツは年齢を調べていないため、比較対象からは
外されている。

日本は1.6%とランキング18カ国の中で最も低く、学校で学ぶ成人が最も少ない。
最高はフィンランドの8.3%で日本のおよそ4倍となっており、上位は北欧の国々で占め
られている。 日本は『教育大国』と言われているが、それは人生の初期に限った話で、
生涯のスパンでみると、かなりの『勉強嫌い』の国に当てはまると言える。

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この表から、分かることとしては、単に『勉強が嫌い』という理由だけ
ではなく、そもそも、日本社会が生涯学習などを許してはいないというところも如実に
現れている。 例えば、日本で仕事が終わった後に、学校に通いたいと面接等で下手に
言ってしまうと、もれなく落とされる対象となる。

日本社会では、残業が必須となっているため、残業が出来ない人間は、必要とされない
のである。 海外の場合は、会社が終わってからは、何をしようが、個人の勝手なのだが、
日本の場合は、夜遅くまで完全の拘束されるため、そもそも、学習の時間すら持てない。

また、国が補助している格安のカルチャーセンターがないのも日本の特徴となっており、
最近では、デフレ不況により、賃金が大幅に下落しているため、金銭的な余裕がないのも
事実。

極々一部の大企業内では、通信教育や、カルチャーセンター等への補助金を出している
企業もあることはあるのだが、そのような大企業で働いている人間に限って、そのような
場では一切学ぼうとはしない。

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日本の生涯学習を取り巻く問題点としては、一旦社会に出てしまうと、学習の機会など
持てたものではなく、どうしても学校に通いたい場合は、職場には内緒で、コッソリと
通うしかない。 ヨーロッパなどでは、一旦社会に出てから、大学に入り直すのも自由だが、
日本の場合は、そのような柔軟性などなく、一旦道を踏み外してしまうと、二度と元の
生活には戻れないため、キャリアップや、学習意欲以前に、何が何でも生活を死守する
ことが大前提となっており、仕事をしながら、大学院を卒業しようが、一切何の評価も
されないどころか、むしろ、厄介者扱いされ、完全にマイナスとみなされるという、非常に
奇妙な社会となっている点を挙げる事ができる。

学び直しが出来ない社会とは、やり直しが効かない社会を表しており、日本では、大学
自体が、世間と完全に隔離されているため、通いやすさもへったくれもあったものでは
ない。 よって、一旦社会に出てしまうと、奴隷のように束縛されながら、単調な仕事でも、
何とか我慢をして、脇目など一切せずに、死ぬまで企業のために働くしかないのが、
日本人の定めとも言える。

尚、日本企業での残業時間を総計すると、日本で生まれたという理由だけで、5年4ヶ月の
懲役刑を受けたのと同じ扱い
となり、有無を言わさず、強制的に残業を課せられるという
衝撃的な事実も明らかになっている。

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