ウィーンを代表する2大カフェと言えば、ホテル・ザッハーとカフェ・デーメル。
両家は、長きに渡り、ザッハー・トルテをめぐって、争って来たが、味も見た目も
非常に似通っているため、両者を食べ比べても、これと言った違いは見つからない。

【ザッハー・トルテの誕生】
19世紀前半、オーストリア宰相メッテルニヒ邸でコックの見習いをしていた若き
フランツ・ザッハーが、日持ちの良いチョコレートケーキを発案した。 1832年、
メッテルニヒが開いた晩餐会で、たまたま料理長が欠席したため、フランツが料理を
作った。 そこで出されたデザートのチョコレートケーキが評判となった。

このケーキは、「ザッハートルテ」と名前が付けられ、作り方はフランツのみが
知る秘伝ケーキとなった。 その後、フランツは独立し、息子のエドワルドが
1876年にホテルを建てた。 それ以来、秘伝のチョコレートケーキはホテル・
ザッハーの名物菓子となった。

ホテル・ザッハーのザッハー・トルテ
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20世紀前半になって、王室御用達の銘菓子店デーメルがザッハー・トルテの製造、
販売を始めた。 ザッハー側は、これに対抗したが、デーメルは製造、販売を
続けた。 両家の争いは、とうとう裁判にまで発展する。 1952年から62年までの
10年を費やした長い裁判の結果、「両家共にザッハー・トルテを作って良い」と
いうものであった。 ただし、オリジナルの商標は、ザッハーが獲得した。

レシピが漏れたいきさつに関しては、様々な説がある。 その1つは、エドワルド・
ザッハーの息子がデーメルの娘と結婚して秘伝のザッハー・トルテが伝わったと
いうもの。 この他、ザッハーの腕利き職人がデーメルに移ったからというもの。
あるいは、1930年代にザッハーの経営者が行き詰った際、デーメルに助けられて、
その見返りにザッハー・トルテのレシピを教えたなど、色々な言い伝えが残って
いる。

ザッハー・トルテは、表面がチョコレートでコーディングされたスポンジケーキの
ことだが、両家の明らかな違いは、トッピングで、ザッハーのザッハー・トルテには
丸形のチョコレート封印が、デーメルのザッハー・トルテには三角形の封印が
乗っている。

カフェ・デーメルのザッハー・トルテ
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尚、カフェ・デーメルは、日本にも支社があるため、全国各地の高級デパート店で
デーメルのザッハー・トルテに出会うことが出来る。 通信販売も行っているため、
お取り寄せして見るのも良いかも知れない。

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