新型コロナウイルスに感染するのは、自業自得と考えていた人の割合が、日本では
米国や英国などと比べて突出して高かったという調査結果を三浦麻子 大阪大教授ら
心理学者の研究グループがまとめた。 国内で感染者が非難されたり、差別されたり
したことと、こうした意識が関係している可能性があるとしている。 感染症は
誰でも感染する可能性があるが、本来、被害者である本人に責任を負わせる
社会的な風潮は、教育の問題とも言える。

三浦教授らのグループが2020年3~4月に掛けて、日本、米国、英国、イタリア、
中国の5か国で各約400~500人を対象にインターネット経由で回答を得た。
「感染する人は自業自得だと思うか?」との質問に、「全く思わない」から
「非常に思う」まで賛否の程度を6段階で尋ねたところ、以下のような結果と
なった。

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この調査によると、「新型コロナウイルスに感染する人は自業自得だと思うか」
との質問に対して、「どちらかといえばそう思う」「ややそう思う」「非常に
そう思う」と回答した人は、米国人が1.0%、英国人が1.49%、イタリア人が
2.51%、中国人が4.83%であったが、日本人は11.5%と突出して高い割合と
なった。

日本人だけが割合が高いことについて三浦教授は、現時点では明確な理由は
不明としているものの、自業自得と考えてしまうメカニズムについては、
「公正世界仮説」という考え方を提示しており、社会は本来、安全で公正なもの
であるべきとの考え方で、この価値観が強い人は、人間の行為について必ず正しい
結果が帰って来ると考えがちとなる。 そうしたところに、想定外の悪い出来事が
発生すると、自身の価値観を維持しようとするあまり、被害者が過去に悪いことを
した報いであると考える傾向が強くなる。 通り魔事件の被害に遭った女性が、
逆に「深夜に出歩く方が悪い」責められたりするのは、このメカニズムによるもの
である。

今回のコロナ危機でも、一部の論者が「コロナはただの風邪に過ぎない」として、
対策を強化することや慎重な行動を取ることについて感情的になって批判して
いるが、これも世界が安全であって欲しいという認識と現実のギャップが生み
出した不安心理と考えて良いであろう。


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現実問題として、日本各地ではコロナを理由にした差別やバッシングが発生して
おり、こうした風潮は、コロナに関係なく、以前から横行していたが、日本国内の
感染者数がハッキリとしないのは、このようなバッシングだらけの社会で、
名乗り出にくくなっていることが原因であるのは明らかである。 日本は諸外国と
比較して十分な検査態勢が確立しておらず、更には、補償問題もあいまいなままで、
周囲からこのようなバッシングが横行すれば、感染の実態を把握することが更に
難しくなる。

日本では感染症に関する体系的な教育を行っていないという指摘も一部の専門家
から出ているのだが、感染症に関する学校教育が行われないのも、こうした
公正世界仮説が影響している可能性がある。 長期的には教育という部分にも
目を向ける必要がありそうだ。

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