オリンピック出場のため、ロシア代表選手に費やされている費用は
どのくらいなのか? また、誰が資金を提供しているのか?


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リソース:РБК

ナショナルチームをオリンピックへ送るための費用としては、連邦予算や
地方予算だけではなく、スポンサーからの資金提供があるが、これら公的資金は、
主にスポーツ施設、トレーニングセンター、競技場等のインフラ建設と改修費用
として費やされている。

この費用の中には、オリンピック候補生の移動費用も含まれており、この中から、
コーチ、医師等専門家への人件費、並びに、アスリートへのスポーツ報奨金も
支払われている。

予算枠外の予算は、非政府組織であるロシアオリンピック委員会で審議されるが、
2014年度は「ガスプロム」(天然ガスの生産・供給において世界最大の企業。
創設は1993年2月17日。半国営の天然ガス独占企業。ロシア政府が50.23%の
株式を保有している)からの大口の寄付により、その費用の半分以上がまかなわれ
ている。

どのくらいのお金が予算として使われているのか?
※1ルーブルは約1.6円

スポーツ省の年間予算は、2014年から2018年まで、467億~807億ルーブルで
推移し、このうち、半分以上がFIFAワールドカップの入札準備として、競技場の
建設、インフラ整備などのために使われた。 ワールドカップを除くエリート
スポーツへの連邦予算の年間支出額は約22〜25億ルーブルとなっている。

スポーツ省からの予算としては、地域スポーツ委員会に対して競技の運営費用
として毎年13~15億ルーブル、オリンピック競技を含むハイパフォーマンス
スポーツに対しては毎年10億ルーブルの補助金が支給されている。

オリンピック選手、あるいは、元オリンピック選手に対しては、年間1兆1,520億
ルーブルの「大統領奨学金」を支払うための予算が確保されており、 3万2,000
ルーブル(ロシア人の平均月給とほぼ同じ額)が奨学金として毎月3,000名に
支給されている。

【ドーピング費用】
オリンピックの間接費用として、ドーピング費用があり、ロシアは毎年、
ドーピング防止策としてUNESCOとWADAに寄付を行っている。 ユネスコに
対しては年間15~20万ユーロ、WADAに対しては年間100万ドルの寄付を行って
おり、ロシアはWADAの最大支援国のひとつとなっている。 ロシア・
反ドーピング機関(RUSADA)の資格認定剥奪に関しては、WADAが最大の
貢献者となった。

【追加予算】
2017年11月、スポーツ省はメドベジェフ首相の指示により、連邦政府から
ピョンチャンオリンピックに対する準備金として2億3,770ルーブルが直接
配分された。 この予算は、ロシア代表チームの海外でのトレーニング活動や
海外スポーツイベントへの参加時に必要な外貨購入資金から追加予算として
捻出されているところに留意したい。

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ロシア・オリンピック委員会(ROC)はオリンピックに幾ら
費やしているのか?

オリンピックに直接参加するロシア代表チームの主な費用は、ロシア・
オリンピック委員会が管理しており、ROCではスポンサーからの寄付だけ
ではなく、連邦予算と地域予算の2つを主な資金源としている。 国からの予
算は、スポーツ省(国家予算)と地域スポーツ委員会を通して分配されている。

ROC副会長のスタニスラフ・ポズニャコフ氏の言葉によると、ピョンチャンに
出場するロシア代表チームの準備金として、2017年10月末までに約1億
ルーブルを費やして来ており、更に、4年間で約10億ルーブルをナショナル
チームへの準備金として費やした。

同等の金額12億ルーブルがROCにより、2016年のリオ・オリンピックの
準備金として支払われた。 リオオリンピックへロシア代表団が出発する際に、
ROCの最高経営責任者であるウラジミール・センゲレフ氏は、タス通信への
取材に応じ、選手への準備金として8.3億ルーブル、ロシア代表団のブラジル
までの遠征費として3.85億ルーブル費やしたことを明かした。

公的機関であるロシアオリンピック委員会は、トップアスリートの強化を
行うために、スポンサーからの寄付を募っているが、ロシアにおける
オリンピックへの主なスポンサーは、ガズプロムとなっている。 同社は
ソチオリンピックのために1億3000万ルーブルを準備し、その後、リオと
ピョンチャン・オリンピックを含め、4年周期で多額の寄付を行っている。

ガスプロムは、オリンピックナショナルチーム育成のための予算として、
ロシアオリンピック委員会に対して大口の寄付を行っているが、ロシア・
オリンピック委員会の予算収入の半分以上は、ガスプロムからの寄付で
まかなわれており、ロシアオリンピック委員会は予算規模を明らかにして
いないものの、ビジネス紙『ヴェドモスチ』の調査によると、年額で
約20億ルーブルとも言われている。

法務省のウェブサイト上で公表されたデータによると、2016年度の研究
開発費は、IOCからの支援があったものの、オリンピックだけでも5億
ルーブルを超える費用が大会実施に向けた準備費用として費やされた。

この研究開発費の内訳としては、ガスプロムに加えて、アエロフロート、
ノルニッケルがスポンサーとなっており、ナショナルチームが使用する
スポーツ用品の提供会社として、シベリアの健康社が新しく加わったと
伝えられた。

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