カナダには多くの大都市があるが、そのほとんどが国土の南半分に位置している。
全人口の約75%が都市に住み、大半が東部各州の都会に居住している。

カナダの首都はオンタリオ州のオタワだが、最大の都市は、同じオンタリオ州の
トロントで、過去には、モントリオールが最大の都市であった。 両市の人口は、
都市の周辺部までを含めるとトロントの方が大きいが、都市部だけの場合では、
長年モントリオールの方が上回っていた。

但し、トロントは、1998年1月1日に周辺都市部と広域合併をしたため、現在では、
名実共にトロントがカナダ最大の都市となっている。 カナダ第3の都市は、
バンクーバーとなっており、トロントとバンクーバーは、国連調査の世界で最も
住みやすい都市ランキングでも、常に上位を維持している。

118260

【オタワ】
オタワ川の南側に位置するオタワ(人口約101万人)は1857年以来、カナダの
首都である。 その名前は、インディアンのオジブウェー族の言葉『アタワ
(交易する)』に由来する。 1800年代に、イギリスの技師によってリドー
運河が開通し、オタワ川とオンタリオ湖が結ばれた後、この地にイギリス人の
居住地が出来た。

オタワは1900年代の大火でほとんど全部焼けてしまったが、その後、カナダの
工業、政治、観光の中心地として再建された。 市内の工場では、通信機器、
紙、家具、加工食品、化学薬品などを製造している。

市内には公園が多く、公的な儀式が度々行われるので、観光客も多い。 年間
行事としては、5月の『春祭り』と、夏季に国会の正面入り口の前で行われる
衛兵交代の儀式などがある。

3065

【トロント】
トロントは、オンタリオ湖の北東岸にあり、船が頻繁に出入りする港である。
全市の人口は、約560万人で、カナダで最も多い。 1793年にアッパーカナダ・
イギリス植民地の首都が設けられ、瞬く間に発展した。 トロントという名称は、
インディアンのヒューロン族の言葉で、『出会いの場所』を意味する。

トロントは、カナダの製造業と金融業の中心地で あり、出版業と映画制作が
発達し、工業地区では加工食品、衣類、木製品が生産される。 また、文化都市
としても重要であり、ロイヤル・オンタリオ博物館やオーキーフ・センターと
呼ばれる演劇の殿堂をはじめ、カナダで最も有名な文化活動の場が集まっている。

eb03b271

【モントリオール】

モンとリール全体の人口は、332万人で、トロントには及ばないが、都市部だけの
人口は100万人に達し、パリに次いで、世界第2位のフランス語都市でもある。

モントリオールは、セントローレンス川の両岸にまたがり、交通の中心地である。
川を下れば、大西洋に出る事が出来、セントローレンス水路によって、五大湖とも
結ばれ、鉄道もここから東西に伸びている。

モントリオールには、はじめインディアンのアルゴンキン族とイロコイ族が住み
着いていたが、17世紀にフランス人がこの地に来て、カナダにおけるフランス領
植民地の拠点を設けた。

その後、1760年にイギリスが占領したため、モントリオールには、フランスと
イギリスの伝統が両方ともある。 フランス系とイギリス系の住民はお互いに
許せないところがあり、暴力沙汰を引き起こした事もある。 市民の中には、
カナダにおけるフランス語圏とイギリス語圏を分離されるべきだという説を
支持する者もいる。

a7ae2f8d0

【バンクーバー】

カナダ第3の都市、バンクーバー(人口約183万人)は、太平洋に接続するカナダの
重要な港である。 太平洋の暖流と穏やかな気候の影響で、冬季にも湾内の航路は
凍る事がない。 ここはモントリオールやトロントは違い、一年中港として使える
のである。

北アメリカとアジア諸国との間の貿易が拡大した1960年代と70年代には、太平洋に
面するという立地条件のお陰で、バンクーバーのカナダ経済に対する重要性が増した。
また、カナダ東部と結ばれる鉄道も完成したため、国内の地位も向上した。

70年代と80年代には、金融業と製造業が発展し、今日では、オンタリオ州以西で
最大の金融、および、工業の中心地となっている。 広大な森林の資源を利用して、
製紙・製材業が盛んで、木製品も大量に作られている。その他にも、豊かな天然
資源に恵まれ、石油、石炭産業に原料を提供している。

【お勧めの一冊】


>>トップページに戻る



クリックをお願いします☆
にほんブログ村 海外生活ブログ ヨーロッパ情報へ
にほんブログ村