香港では、寿司をはじめとする食文化や、アニメ・ゲーム等の大衆文化を
中心に、日本文化が広く浸透している。 コンビニには、ファッション雑誌や、
清涼飲料水等の日本語の書かれた商品が溢れ、地元の広東語番組では、
『イチバン』や『ダメダメ』等、日本語風の表現が時折聞かれる。

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香港は、このように日本が感じられる社会であるため、公用語の中文、英語を
除けば、日本語は学習者の最も多い言語と見られている。 話者数に関する
公式の統計はないが、国際交流基金によれば、2012年時点での日本語学習者は、
2万2,555人で、そのうち、76%が日本語学校等、学校教育以外の場で日本語を
学習しており、大学は13%、初中等教育では11%である。

また、2012年から始まった香港中等教育筆記試験では、日本語を含む6つの
外国語が選択科目として導入されたが、2015年の試験で日本語を選択した
受験者は、199人と2位のフランス語(57名)を大きく引き離している。

学習動機としては、大衆文化と日本旅行への興味、関心が多く、進学、就職等に
使える実利面もしばしば挙げられるが、同時に香港人学習者にとっては、漢字を
使用する日本語が他の外国語に比べて学びやすい要因もあるのであろう。 中文と
英語の読み書きに加え、広東語、中国語、英語の運用能力が前提付けられた
『両文三語』と呼ばれる言語政策の下で、特に英語に苦手意識のある学習者が
日本語を学ぶことで言語学習に対する自身を取り戻そうとする場合もある。

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学習環境は整っており、市中の日本語学校以外にも、現在8つある全ての公立
大学で日本語が履修出来、日本語、日本文化を専攻出来る大学院、大学、
コミュニティーカレッジ(短大に相当)も一定数存在する。 このような背景
により、日本語学習の層も厚く、その中から、香港人日本語教師も数多く輩出
されている。

教師養成機関としては、香港中文大学に2006年から2011年まで日本語教師養成を
主とした修士課程が設けられ(現在は大学院の選択科目として開講)、現在も在留
邦人や日本留学経験者のある香港人が養成機関を経ずに教師となり実践経験を積む
ケースも多い。

学習方法もテクノロジーの発達と共に変化を見せている。 従来は文法、読解は
出来ても会話が苦手なのが香港人学習者の特徴とされて来たが、インターネットで
手軽に日本語コンテンツに触れられる環境が整ったことから、近年では、若者層を
中心に、独学が一般化し、ウェブ上のデジタル教材を活用したり、ソーシャル
ネットワークで日本語母国語話者と交流したりして、教育機関に通わずに
コミュニケーションスキルを磨く学習者が増加している。 こうした学習者の
広がりを受け、大学でも日本語既学習者があえて初級の日本語のクラスを履修し、
高得点を狙おうとする現象が顕著になった。

新界付近の住宅地にある日本語学校を例に取ると、新規受講は日本旅行が切っ掛け
という場合が目立ち、外国語の通じにくい地方へ旅行に行くため、中上級まで
学習を継続する受講生も少なくない。 2011年の東日本大震災直後は、超円高も
相まって、日本への渡航が下火になり、受講者が一旦減少したものの、近年円安
傾向で再び日本旅行にブームが起き、回復傾向にある。 極端な例としては、
日本で不動産を購入し、年間数ヶ月間を日本で過ごし、日本語力を鍛える強者も
存在する。

ここ数年の韓流ブームで韓国文化に関心を持ち、韓国語を学ぶ人が増えたため、
日本語教育にも若干影響が見られるようになった。 韓国語熱の高まりを受け、
一部の日本語学校では、韓国語コースも開講しているが、ここ1~2年は、日本旅行
ブームの恩恵を受けてか、一時期低下傾向にあった日本語学習者数が上昇に転じ、
横ばい傾向にあった韓国語を尻目に、安定した伸びを見せている。

また、旅行や大衆文化等で幅広く学習者を引き付ける日本語に対して、韓国語は、
Kポップや韓流ドラマの女性ファンが中心で学習者の偏りが大きい。

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