オランダの正式名称は、『ネーデルラント王国』で、オランダ語で
『ネーデルラント』は『低い土地』という意味。 オランダの国土は、
北海に面し、ライン川等の大河の河口に出来た三角州に位置している。

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面積は、4万1,574平方キロで、日本の九州とほぼ同じ面積となっている。
そのうち、約27%は、界面よりも低い土地となっており、海面下にある
土地全体の平均水位は、マイナス3.5メートルとなっている。 国土は、
殆ど平で、最も土地が高い地域は、南東のベルギー、ドイツとの国境地域で、
標高は321メートルとなっている。

オランダの西部や北部の沿岸地帯や、ライン=ワール川流域の海抜は、
マイナス2~3メートルとなっており、最も低い場所では、マイナス6.7
メートルとなっている。 北部の沿岸に沿って、テッセル島をはじめとした、
大小10の島々から成るウエストフリース諸島が連なっている。

南部では、海抜2メートル以下の平坦な土地が続き、東部では、海抜100
メートル程の低い丘陵地となる。 更に、東に進むと、標高約50メートルの
丘陵地帯を含む海抜20メートル程のなだらかな平地がドイツまで続いている。
オランダの緯度は、かなり高いため、夏は午後11時頃まで日が長く、冬は夜が
長くなる。 9月には、次第に日が短くなり、長く暗い冬が訪れると、天気は
どんよりした曇りの日が続く。

オランダは北海道よりも北に位置しているが、北大西洋海流の影響を受けて
いるため、温暖な気候となっている。 最も暑い7月の平均気温は、17~18度、
冬は0度前後の気温が続き、昼夜の気温の差はあまりない。 寒さが極まる
2月頃には、運河が凍って、天然のスケートリンクとなる。

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低地の国であるオランダは、古くから度々洪水や浸水に見舞われた。
その歴史は、水害との戦いの歴史とも言える。 人々は、洪水を防ぐために
土を盛って堤防を築き、自分達が住む土地を守った。 更に、沼地や湖、
海辺等に堤防を作り、水を囲い込んで風車や蒸気機関の力で水をかき出して
運河等の水路を通して海に流した。 干拓地の水路には、水門を設けて、
推移の調整を行っている。

こうして、オランダ人は、現在の国土の約2割以上を干拓によって作り出した。
そのため、オランダでは、『世界は神がお作りになったが、オランダは、
オランダ人が作った』という言葉がある。

13世紀に初めに干拓が初められてから、19世紀までに、4,700平方キロの土地が
開かれた。 20世紀に入ってからは、国をあげての大規模な治水工事や干拓が
行われ、1985年までに1,900平方キロの干拓地が作られた。

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ゾイデル海の干拓は、北海沿岸部の洪水を防ぎ、主に、農業用の干拓地を作る
ためのものだが、全長30キロの締め切り大堤防を作り、ゾイデル海を北海から
切り離し、アイセル湖という大きな湖に変えた。 そして、湖に5つの干拓地を
作る計画を立て、そのうち、4つが完成して、約14万ヘクタールの広い土地が
作られた。 この干拓により、国土の面積が約4%増え、フレボーラント州
というオランダの12番目の州が生まれた。

しかし、1970年代頃から、干拓事業は、自然環境を壊すものだとして、反対
運動が起こり、財政難もあって、5番目の干拓地は完成されず、現在は、自然
保護区となっている。

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