近年、例え、大学院を卒業したとしても、非正規雇用に甘んじなければならない、
いわゆる、『高学歴ワーキングプア』が社会問題となっているが、日本の
大学教育は、ヨーロッパ等の無料の大学教育とは異なり、単なる金儲け第一
主義の『ビジネスの場』となっており、既に教育の場ですらなくなって
いるのが現状と言える。 

大学の非常勤講師の約6割が、大学講師を専門としている、いわゆる、専属非常勤
講師と呼ばれる形態で仕事をしているが、その平均年収は、約306万円となって
おり、そのうち44%は、年収250万円以下のワーキングプアとなっている。
非常勤講師の基本的な給与は、一般に90分の授業1コマ当たり月2万5,000円が
平均となっており、年間に換算すると、1コマ当たり30万円ということになる。
よって、年収300万円を稼ぎ出すためには、10コマ程度必要となる。 授業は
例え90分であっても、直前直後の準備もあるため、1コマ当たり2時間労働と
考えられている。 現在、日本の労働基準法では、上限が40時間ということに
なっているため、10コマやったとしても、20時間で300万円程度にしかならない。

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現在、非常勤講師の約44%が、年収250万円以下となっており、また、研究者として
扱われないという問題もある。 同じ仕事をしている専任教員は、研究者として大学
から書籍代なども支給されており、学会に行った場合に学会費の一部や懇親会費の
一部が補助される。

一方、非常勤講師には全く何も支給されず、また研究室もないため、自分の家で勉強
しなければいけないという、不利益な面が多くなっている。 研究者として扱われ
ないにも関わらず研究業績は、専任と同じように要求され、但し、賃金は低く抑え
られている。 非常勤講師のほぼ全員が大学院に進んでいるため、博士課程を終了
するまでに、1,000万円近くの借金を抱えている非常勤講師も多く、自体を更に
酷いものにしている。

高学歴ワーキングプアばかりではなく、日本の現在の平均年収が、既に30年前と
ほぼ同水準である事を余り公開しないのは、大企業ばかりを優遇した国策と考えて
良いのかも知れない。 右肩上がりであった30年前は希望が見えたが、右肩下がりの
今となっては、絶望しか見えない。

正規と非正規の雇用格差は、そのまま収入における格差へと繋がっており、一度
正社員の道を踏み外すと、二度と正社員には戻れないため、自殺者が後を絶たない。
今の日本の自殺の原因は、惚れた腫れたの恋愛の悩みからではなく、仕事上の
問題が殆ど。 その中でも、最も上位に位置するのは、人間関係と収入格差、
言い換えれば、ビジネス最優先でエゴ丸出しの過当競争の成れの果てとも言える。
右肩上がりの利益ばかりを突き詰めると、こうなるという典型的な例が、日本と
アメリカ社会。 行き過ぎた資本主義は、既に限界に達している。

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