以前働いていた企業は、世界的にもなかなり有名な大手企業で、仕事の内容的にも、
長年やっている多言語マニュアルの制作であるため、特に不満はなかったのだが、
いかんせん、派遣社員であるため、語学スペシャリストでありながら、単なる小間使い的な
仕事がやたらと多く、単に、全てのテキストが英文なだけで、やっている内容は、実は、
かなり単純な制作業務である事が多かった。 元々、マニュアル制作の現場とは、
こういうものだと前々から知っているので、特に苦にはならないが、眼球を相当酷使する
ため、就寝前の目の手入れだけは、必須であった。 1日に、12時間程度モニターを
見ているため、ブルーライト軽減メガネも必須。 オンラインマニュアルとPDFでの制作の
ため、HTMLは、当然必須。 その他、イラストレーターとフォトショップも必須。
その代わり、翻訳の中身は、一切見ないので、結局のところ、外国語を読める必要性は
全くなかった。

現状、大手企業の正社員の平均年齢は、50歳前後で、それ以下の年代は、全て
期間契約社員と派遣社員ばかり。 正社員は、大体が、サインを出来る程度の地位の
人たちばかり。 但し、その正社員の人たちが英語を全く読めないため、派遣社員が
翻訳をこなし、さほど業務内容に関する説明もないまま、何もかも丸投げ状態で、納品と
相成ります。 やっと英語が使える仕事が見つかったと勇み挑んでやってきた人の場合は、
実際のところ、さほど難しくもない英文を読めれば良いだけの作業であるため、理想との
余りのギャップの激しさに、数ヶ月程度で、かなりの人間が辞めて行った。 年齢的に、
既に転職自体が絶望的であるのに対して、それでも、何とかもぐり込めたのは、
前の会社でのキャリアが相当高かったからと、その企業が、制作会社として、毎日現場に
来ているからに他ならなかった。
 
clients

大手企業であるため、正社員は、それなりの給与を貰っており、社内でのボランティア
活動が、かなり活発となっていたため、毎月、石巻へのボランティアを募集していたのだが、
派遣社員には、そういったものへの参加資格すらないため、完全に蚊帳の外。 先日は、
フィリピンへPCを贈るため、社内メールで、余っているマウスがあれば、下さいとの事
だったのだが、正社員と比較して、派遣社員の収入は、概ね半分程度なのにも関わらず、
すぐ目の前に居る派遣社員の事は無視して、海外の恵まれない人たちへPCを届けますと
言われたところで、それは、金持ちの自己満足にしか見えないのは、単なる僻み根性
なのか。

さほど仕事をしていない正社員ばかりが優遇されて、特に仕事をしなくても、派遣社員へ
何もかも丸投げをして、余ったお金でボランティアとは、何ともいびつな社会になり果てた。
大手企業では、正社員と派遣社員との格差は、天と地ほどある。

世間では、好景気により、賃上げが話題となっているが、それは、正社員限定の話であり、
そもそもが、正社員の数が激減りしているため、既に少数派と化している正社員の給与を
若干上げたところで、多数派となっている派遣社員の収入は、上がるどことか、下がる
一方であるため、国民全体としての収入は下がる一方。 6年程度ぐらい前までであれば、
何とか正社員になれたものの、今となっては、正社員になれるのは、常に人材が辞めて
行くブラック企業ばかりとなっている。

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